有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)について

有機フッ素化合物であるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とペルフルオロオクタン酸(PFOA)は、環境中で分解されにくく、高い蓄積性がある

 

 

 

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共同通信

「PFAS」の2種に発がん性 WHO認定、評価を引き上げ

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC)は、有機フッ素化合物「PFAS」の代表的な物質で有害とされるPFOAとPFOSの発がん性に対する評価を引き上げたと発表した。PFOAを4段階中最も高い「発がん性がある」グループに、PFOSを新たに下から2番目の「可能性がある」グループにそれぞれ分類した。

 

  PFASは日本各地の河川などでも検出されており、環境省が有害性の本格的な調査研究に乗り出す方針だ。IARCは動物実験や遺伝、免疫などの研究に基づき、人での発がん性に十分な証拠があるかどうかを判断し、4段階で評価している。

 

  1日の発表によると、PFOAはこれまで「可能性がある」だったのが、2段階引き上げられ最も高いグループとなった。同じ分類にはアスベストやたばこの煙などが含まれる。PFOSは最も低い「分類不能」のグループだった。  PFOAやPFOSは食品の包装や化粧品、防水の衣服などさまざまな製品から検出されている。現在は多くの国で使用が禁止されているという。


 

 

 

有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)について

有機フッ素化合物であるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とペルフルオロオクタン酸(PFOA)は、環境中で分解されにくく、高い蓄積性がある

 

 

 

有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)とは?懸念される影響について

PFOSとPFOAは、どちらも「PFAS」と呼ばれる有機フッ素化合物群の一種です。

これらの物質は20世紀半ば以降、多くの製品に使用され、私たちの生活の中で役立ってきました。しかし、徐々に人体や環境に対しての有害性が明らかとなり、近年ではPFAS汚染が「命の問題」として、世界的に取り扱われるようになりました。

PFOSとPFOAは有害性が高い割に国内においての認知度はまだ低く、自身がどのような脅威にさらされているのかを自覚している人は少ないようです。この2つの物質について学ぶ際には、前提として「PFAS」や「有機フッ素化合物」についても、大まかに知っておく必要があるでしょう。

今回はPFASや、その種であるPFOSとPFOAについて解説をしていきます。

目次

有機フッ素化合物「PFAS」とは?

有機フッ素化合物は天然にはほとんど存在しない物質で、主に人間によって作り出される化合物です。

この「有機フッ素化合物」という名称は、単独の物質を指す言葉ではなく、有機物質中にフッ素原子が含まれている広範な化合物の総称になります。種類数は定かではありませんが、理論上は膨大な数の種類を作り出すことができます。そして、その中でニュースなどでも多く取り上げられるようになったのが「PFAS」と呼ばれる有機フッ素化合物の一群です。

 

■PFAS(ピーファス)
perfluoroalkyl substances and polyfluoroalkyl substances
ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物

PFASは、水や油をはじき、熱に強く、薬品にも強い、そして光を吸収しないといった独特の性質を持っており、20世紀半ば以降、世界中で多くの製品に用いられてきました。

 

・焦げつかないフライパン
・ハンバーガーや揚げ物などを包む包装用品
・撥水加工の衣類(レインウェア、ウィンタースポーツ用品など)
・タッチスクリーンを滑りやすくするためのコーティング
・軍事施設などで使用される泡消火剤(AFFF)
・スキーやスノーボードのコート剤
・歯間フロス
・化粧品(ファンデーションなど)

・シミ防止加工されたマットレス など

 

PFASの性質である「化学的安定性」は、上記のような用途に利用され、私たちはその恩恵を長い間受けてきました。しかし、この化学的安定性にはデメリットもはらんでおり、近年では世界的にその有害性が問題視されています。