柏崎刈羽原発「三つの検証」で池内了元総括委員長が独自の検証報告書、市民委員会のHPで公表
 

 「新潟県の検証は不十分」    

主権者として中央集権思想を脱する

   【記事】紹介
 

 上岡直見〔環境経済研究所(技術士事務所)代表〕

 各社報道のとおり、柏崎刈羽原発に関して新潟県で行われていた「三つの検証」が不十分なまま終了したことについて元総括委員長・池内了氏や元委員らが中心になって「新潟県検証は不十分」として独自の検証報告書をまとめ、2023年11月22日に発表した。

 

 全文は市民委員会のホームページで公開されている。
 https://shiminkenshouiinkai.jimdosite.com/%E6%B1%A0%E5%86%85%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%A4%9C%E8%A8%BC%E5%A0%B1%E5%91%8A/

 

 

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毎日新聞 2023/11/23 地方版

福島第1原発事故 「池内報告」全容を公表 「県の意向強要」批判 原発行政、国に追随 自治どこへ /新潟

 
 
独自の「池内特別検証報告」を発表する池内氏(右)=新潟市中央区の県庁で2023年11月22日、中津川甫撮影
 

 東京電力福島第1原発事故に関する県独自の「三つの検証」の総括報告書を県が一方的に取りまとめたとして、反発している県の検証総括委員会の池内了・前委員長(名古屋大名誉教授)は22日、独自に総括した「池内特別検証報告」を公表した。花角英世知事から「県の意向に沿った委員会運営」を事実上強要されたと主張した。【中津川甫、池田真由香】

 

 池内氏は報告書で、「日本では何か行政的な問題があると、いわゆる専門家に依頼して専門委員会なり審議会(有識者会議)を開催して、行政側が望む答申や報告を予定調和的に得て行政に反映させるという方法が定着している」と指摘。「政府や省庁だけでなく県政も同じで、私はこのようなやり方に反発し、委員長を解任された」と回顧した・・・





以下、「池内特別検証報告」96頁より抜粋
 「 … 多数の原発を抱える脆弱な日本は武力に頼ってはならないし、戦争に巻き込まれる悲劇を徹底して避けることに全力を尽くさねばならない。
 原発がある限り、日本は平和国家であることを放棄してはならないのだ。
 では、原発を放棄すれば日本は軍事大国(戦争をできる国)になってもいいのか、と問う人がいるかもしれない。
 私は、「
すべての原発を廃炉にして、その後始末を行って完全に廃棄するためには 100年かかるでしょう、それから考えてもいいのではありませんか」と応えたい。
 
原発と戦争は二律背反であって、二つが両立することはあり得ないからだ

以下、見出しのみ紹介
「池内特別検証報告」
はじめに 「池内特別検証報告」を執筆するに当たって
第1章 検証総括委員長解任までの一部始終
第2章 技術委員会の「検証報告書」
第3章 生活分科会からの「検証報告書」
第4章 避難委員会からの「検証報告書」
第5章 健康分科会からの「検証報告書」
第6章 諸機関の適格性について 67
 6-1 東電の適格性
 6-2 県・立地自治体の適格性
 6-3 原子力規制委員会の適格性
 6-4 司法(裁判所)の適格性
第7章 地域と自治体に引き起こされた問題点
第8章 原発のテロ・戦争対策について 89
 8-1 原発の安全管理の死角
 8-2 テロ対策の実際
 8-3 ソフトテロ
 8-4 サイバーテロ
 8-5 テロと避難と自衛隊
 8-6 原発と戦争
第9章 おわりに
 9-1 極めて当たり前の教訓
 9-2 原発問題の特異性

 9―3 主権者として中央集権思想を脱する