ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

休戦を停戦に

英国で大規模デモ 当局は「反ユダヤ主義」化を警戒

ロンドンの美術館「ナショナル・ギャラリー」前で、「恒久的停戦」を訴えるデモ隊=2023年11月25日、篠田航一撮影

 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエル軍が始めた「4日間の休戦」を「恒久的停戦」につなげるよう訴える大規模デモが25日、英ロンドンで実施された。英メディアによると、約4万5000人が参加。中心部トラファルガー広場を埋め尽くした参加者は「すぐに停戦を」などと訴えた。

 

  【写真まとめ】人で埋め尽くされたトラファルガー広場 

 

 治安当局は、デモが平和的な行進の範囲に収まらず、徐々に過激な反イスラエル・反ユダヤ主義運動になることを警戒。25日はデモ隊の言動を注視するため、アラビア語を話す警官が多数動員されたという。  同広場では「イスラエルのガザ攻撃は虐殺だ」(20代女性)といった声が聞かれた。一方、同広場を横切っただけでデモに参加しなかったバングラデシュ出身のモハメドさん(55)は、「あまりデモを続けると、双方の分断を深めてしまう」と語った。  英国では週末のデモが恒例になりつつある。25日のデモは、同広場や首相官邸周辺などで実施された。【ロンドン篠田航一】

 

 

 

 

 

スペイン・ベルギー両首相、ガザ侵攻非難 イスラエルは大使呼び抗議

パレスチナ自治区ガザ地区とエジプトの境界にあるラファ検問所のエジプト側で、共同記者会見に臨むスペインのペドロ・サンチェス首相(左)とベルギーのアレクサンダー・デクロー首相(2023年11月24日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

 

【AFP=時事】イスラエル外務省は24日、スペインのペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相とベルギーのアレクサンダー・デクロー(Alexander De Croo)首相のイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)侵攻を非難する発言をめぐり、両国の大使を呼び出し強く抗議した。

 

  【写真】エジプト大統領、パレスチナの国家承認呼び掛け

 

 サンチェス氏とデクロー氏は同日、ガザとエジプトの境界にあるラファ(Rafah)検問所を訪問。  デクロー氏はその際、「(イスラエルの)軍事作戦は国際人道法を尊重する必要がある」と述べ、ガザでの破壊行為は「容認できない」と非難した。

  サンチェス氏も同調し、ガザでの「罪のない民間人の無差別殺害」は「全く容認できない」と述べた。  両首相はガザにおける恒久的な停戦を呼び掛けた。 

 

 イスラエル外務省によれば、同国のエリ・コーヘン(Eli Cohen)外相は、スペインとベルギーの大使を呼び出し強く抗議するよう命じるとともに、サンチェス氏とデクロー氏が「テロ」を支持していると非難した。

 

  これを受け、スペイン外務省は直ちにイスラエル大使を呼び出し、同国政府のサンチェス氏に対する主張は「虚偽で容認できない」として説明を求めた。

 

  イスラエル首相府が公開した声明によれば、同国のベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相も、「イスラム組織ハマス(Hamas)には、イスラエル国民を虐殺し、パレスチナ人を人間の盾として使用しているという人道に対する罪の全責任がある」にもかかわらず、両首脳がその点に触れていないとして強く非難した。【翻訳編集】 AFPBB News

 

 

 

 

 

 発信地:ヨハネスブルク/南アフリカ AFP

南ア、イスラエルの戦争犯罪と「ジェノサイド」非難

【11月22日 AFP】南アフリカのシリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は21日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)でのイスラエルによる戦争犯罪と「ジェノサイド(集団殺害)」を非難した。

 ラマポーザ氏は議長を務めたブラジル、ロシア、インド、中国、南アで構成する新興5か国(BRICS)によるオンラインでの臨時首脳会議で、「イスラエルの違法な武力行使によるパレスチナの民間人に対する集団的懲罰は、戦争犯罪だ。ガザ住民への医薬品や燃料、食料や水の意図的な供給停止はジェノサイド(集団殺害)も同然だ」と述べた。

 また「即時かつ完全な停戦」、および「戦闘休止の監視と民間人保護」のため国連(UN)軍の派遣を呼び掛けた。

 ラマポーザ氏は「ガザでの死と破壊について、各国はそれぞれ深刻な懸念を表明してきた」「この歴史的な不当な行為を終わらせるため、本会議をわれわれの力を結集し行動の強化を呼び掛ける場としよう」と述べた。

 南アは長年、パレスチナの大義を明確に支持してきた。与党・アフリカ民族会議(ANC)はしばしば、自らのアパルトヘイト(人種隔離政策)との闘いとパレスチナ問題を関連付けている。(c)AFP

 

 

 

 

 

 発信地:ラファ/パレスチナ自治区 [ パレスチナ自治区 イスラエル 中東・北アフリカ ]

ガザ最大病院から乳児31人退避 待機中に2人死亡 WHO

 
パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファの病院で、シファ病院から退避してきた乳児の看護に当たるパレスチナ人の医療従事者(2023年11月19日撮影)。(c)Mohammed ABED / AFP

 

 

【11月20日 AFP】世界保健機関(WHO)は、パレスチナ自治区ガザ市(Gaza City)にあるガザ地区最大のシファ(Al-Shifa)病院から乳児31人を退避させたと明らかにした。院内になお残っている患者や職員も退避させるとしている。

 シファ病院の院長は、イスラエル軍に退避を命令されたと主張。18日には数百人が病院から避難したという。そうした事態を受け、WHOは同日、病院を緊急視察した。現場にいたAFP記者は、患者や負傷者、避難民が徒歩で臨海地区に向かうのを確認した。イスラエル側は、命じた事実はないとしている。

 パレスチナ自治区の病院事業を統括するムハンマド・ザクト(Mohammed Zaqut)氏はAFPに、「シファ病院にいた乳児31人は全員退避」させたとし、エジプトに入国させる準備を進めていると語った。

 WHOによれば、乳児は治療のためパレスチナ赤新月社(Palestinian Red Crescent)の救急車でガザ南部の病院に搬送された。31人中11人が重体とされる。

 医師の報告では「医療品不足によりシファ病院では感染対策を維持できず、乳児全員が深刻な感染症にかかっている」という。

 ガザの保健当局が家族の居場所を突き止められなかったため、身内に付き添われている乳児はいなかった。搬送を待つ間、2人が院内で死亡した。

 保健当局によれば、同病院では燃料不足で保育器が稼働せず、今月11日以降に死亡した乳児は8人となった。

 WHOは、院内に残っている患者は291人、医療関係者は25人だと発表。退避計画を策定しているが、退避完了には「数日」かかるとし、「まずは22人の透析患者と脊椎損傷患者50人を優先する」としている。(c)AFP

 

 

 

 発信地:パリ/フランス [ フランス ヨーロッパ イスラエル パレスチナ自治区 中東・北アフリカ ]

仏大統領、ガザで「民間人犠牲あまりに多い」 イスラエル首相に指摘

【11月20日 AFP】フランス大統領府は19日、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領がイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相に対し、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)との衝突で「あまりにも多くの民間人が犠牲になっている」と指摘したと明らかにした。

 イスラエルは先月7日に自国を奇襲したハマスに対する報復として、ガザへの攻撃を続けている。双方の当局によると、イスラエル側では約1200人が死亡し、人質として240人が拉致されたのに対し、ガザ側ではこれまでに約1万3000人が死亡している。

 フランスはイスラエルの同盟国だが、仏大統領府によると、マクロン氏はネタニヤフ氏に対し「テロリストと民間人を区別する絶対的な必要性」と「停戦を見据えた人道的休戦を即時実現することの重要性」を強調した。

 またパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)でも「民間人のパレスチナ人に対する暴力が激化していることに大きな懸念を抱いている」と述べ、鎮静化を求めたとされる。

 パレスチナ自治政府の保健省は、今回の紛争開始以降、イスラエル軍とイスラエル人入植者が西岸で200人以上のパレスチナ人を殺害したと発表している。

 一方、マクロン氏はパレスチナ自治政府のマハムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長に対し、「パレスチナ自治政府およびこの(中東)地域のすべての国々が、10月7日にイスラエルに仕掛けられたハマスのテロ攻撃を明確かつ最大限に毅然とした態度で非難する必要がある」と述べていた。

 マクロン氏は19日、ガザに医療支援を提供するため、フランスから地中海東部にヘリコプターを派遣する準備を進めていると発表。今週には、医療物資10トン以上を積んだチャーター便の派遣も予定されている。(c)AFP