自見英子氏側、選挙費用の不記載 

賃料収入、計165万円

自見英子氏

 自見英子地方創生担当相の資金管理団体「ひまわり会」が2022年の参院選に関し、自見氏本人から受け取った賃料収入計165万円を政治資金収支報告書に記載していなかったことが26日、分かった。自見氏の事務所は「事務的な誤りで記載が漏れていた。関係法令にのっとり、適切に対応していきたい」とした。 

 

 自見氏の選挙運動費用収支報告書などによると、自見氏は昨年の参院選に際してひまわり会の事務所を選挙運動のために使用。いずれも「選挙事務所借上料」として、昨年7月11日に145万2千円と19万8千円をひまわり会に支出したが、ひまわり会側は収入に記載していなかった。

 

 

 

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 自見 英子らは「極めてて悪質、裏金づくりの手口では」

 

日本の政治家、医師。自由民主党所属の参議院議員。国際博覧会担当大臣、内閣府特命担当大臣。 内閣府大臣政務官 、厚生労働大臣政務官、自由民主党女性局長などを歴任。 政治活動では自見 はなこの表記も用いており、入閣時の官報には本名と共にこの表記が併記された。本名は橋本英子。

 

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拡大するパー券不正疑惑

二階元幹事長と自見万博担当大臣ら9人を刑事告発 

「極めてて悪質、裏金づくりの手口では」と専門家

安倍派が開催した問題の2021年12月6日の政治資金パーティ。稲田朋美議員の公式HPより。

 

◆「日歯連」購入分は法定上限超えで違法 政治資金パーティ券の購入は一団体150万円までと、「政治資金の憲法」と言われる政治資金規正法(以下、規正法)で決められている。それを国会議員が知らないはずがない。その決まりを自民党の主派閥がそろって破っていた。自民党の最大派閥である政治団体「清和政策研究会」(安倍派)をはじめ、主要5派閥の一つ「志師会」(二階派)は、政治団体「日本歯科医師連盟」(以下、日歯連)から上限の150万円を超えるパーティ券を買ってもらっていた。また、自見英子万博担当大臣が代表を務める政治団体「ひまわり会」も、二階派「志師会」にパーティ券代200万円を支払っていた。さらに、安倍派、二階派はともに政治資金収支報告書(以下、収支報告書)にその明細を記載していなかったのである。。150万の上限超えの発覚を免れるためだと見られる。このパー券不正問題で、二階俊博元幹事長、自見大臣ら9人が規正法違反の疑いで東京地検に刑事告発された。(フリージャーナリスト・鈴木祐太)

 

 

  【写真報告】これが政治資金報告書と「文通費」領収書だ。橋下徹、維新清水参議員などの実物公開(7点)

清和会(安倍派)の2021度の政治資金報告書。日本歯科医師連盟が上限の150万円分をパーティ券購入した記録がある。だが日歯連の報告書には156万円と記載されていた。少額でも記載漏れだ。

 

◆安倍派と二階派が上限超えパー券収入を不記載 刑事告発したのは、上脇博之神戸学院大学教授だ。 安倍派は2021年12月6日に政治資金パーティ「清和政策研究会との懇談の集い」を東京プリンスホテルで開催した。「日歯連」は、12月3日に150万円、パーティ当日の12月6日にも6万円のパーティ券を購入した。合計すれば156万円となり、150万円を超えるパーティ券の購入で規正法違反である。「日歯連」の政治資金収支報告書(以下、収支報告書)には、合計156万円のパーティ券購入が記載されている。 ところがパーティ主催者の安倍派=「清和会」の収支報告書を見ると、「12月3日に日歯連が150万円を購入した」としか書かれていない。つまり「清和会」の収支報告書だけを見ると、法律の範囲内の合法購入であったことになる。

 

 上脇教授の告発状では、日歯連が虚偽の記載をする理由がないことから、「清和会」が12月6日に販売した6万円分のパーティ券収入を意図的に書かなかった不法な不記載だとした。そして当時、派閥代表を務めていた安倍晋三衆議院議員(故人)と事務担当者が共謀して記載しなかったのではないかと指摘している。ただし、安倍氏はすでに亡くなっているため、今回の刑事告発からは除外された。 同じく二階派=「志師会」も2021年9月24日にホテルニューオータニで政治資金パーティ「新たな時代の国会戦略」を開催。その際、9月21日に150万円、10月18日に20万円のパーティ券合計170万円分を「日歯連」に購入してもらっていた。これもまた日歯連の収支報告書に明記された事実である。当然、規正法違反である。 一方、「志師会」の収支報告書には、「清和会」と同様に150万円分のパーティ券収入があったとしか記載されていない。つまり、10月18日に販売した20万円分については記載自体がないのだ。

 

 ◆自見万博担当大臣は「派閥にパー券購入課された」 「志師会」の「150万円を超えパーティ券」問題はこれにとどまらない。 自見英子万博担当大臣が代表を務める政治団体「ひまわり会」も、10月7日に200万円のパーティ券を主催者である「志師会」に支払っていた。これも「ひまわり会」の収支報告書から確認ができる。一方、「志師会」の収支報告書には、これまた一切記載されていない。「パーティ券収入は1団体150万円を超える記載はしない」が徹底されているようだ。 刑事告発した上脇教授は次のように指摘した。 「『しんぶん赤旗日曜版』(11月19日号)の記事によると、自見事務所は200万円の支出が『寄附』だったと弁明したようですが、それが真実なら誰もパーティに参加していなかったのに収支報告書に『パーティの会費』と記載するはずがありません。虚偽の弁明でしょう」 と自見事務所の対応に疑問を呈した。 また、自見事務所は『しんぶん赤旗日曜版』(11月19日号)の質問に対して「派閥(二階派)から1枚2万円のパーティ券100枚の販売を課されたものの販売ができなかったため200万円の寄付をした」と回答している。自見大臣以外にも販売できなかった議員が同様のことをしているのではないかと勘繰りたくなる回答だ。 

 

◆パー券不正は裏金作りの手口では? 自民党派閥の政治団体から相次いで、こうした不記載等の法律違反が見つかっていることについて上脇教授は次のように指摘する。 「150万円の上限超えの政治資金パーティ券売買と収支報告書不記載については、いずれも規正法違反として東京地検に10月に告発しました。この告発は、5派閥の政治団体が20万円超のパーティ収入の明細を記載していなかったことを告発した中の一つであり、今、各報道機関が注目して報道している約4000万円(正確には総額4168万円)の明細不記載の一部です。 もしも5派閥の各政治団体が、明細の不記載分をパーティ券の売上げ収入総額に含めていなければ、不記載分は裏金になっていたことになります。そうなると、ほぼ1年前に略式起訴された薗浦(そのうら)健太郎元議員の闇政治資金パーティと類似することになります。いずれも『しんぶん赤旗日曜版』のスクープ報道を発端にして私が告発したものです。自民党内に蔓延する裏金づくりの手口なのでしょう。極めて悪質ですから東京地検特捜部にはぜひとも刑事事件として立件し、真相を解明してほしいと思っています」 企業や団体が高額なパーティ券を購入するのは、事実上の企業・団体献金だと長年指摘されてきた。にもかかわらず、法改正はされてこなかった。今回の刑事告発では指摘されていないが、本当に購入した金額の人数分の参加があったのかという問題がある。通常、パーティ券は一人2万円で販売されている。もし、一人2万円ならば、200万円分を購入した自見大臣の「ひまわり会」は、100人がパーティに出席していなければいけないのだ。 パーティ券問題の闇は深い。政治家には説明責任が求められる。 

 

  ■ 鈴木祐太 (すずきゆうた) 1981年香川県で生まれ。岡山、大阪で育つ。大学在学中から貧困状態にある子どもたち、特に被差別部落や在日外国人の子どもたちへの支援に関わり、小学校講師、派遣社員などを経てジャーナリズム活動を始める。フロントラインプレス所属。

 

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 政治資金

岸田首相「各政治団体が適切に対応すべき」 収入一部不記載で

 

自民党の5つの派閥の政治団体が、政治資金収支報告書にパーティー券収入を一部記載していなかったとして告発状が提出され、東京地検特捜部が任意の事情聴取を進めていることについて、岸田総理大臣は20日朝記者団に対し、それぞれの政治団体が責任を持って点検し、適切に対応すべきだという認識を示しました。

政治資金規正法は1回のパーティーで、20万円を超える支出をした団体や個人について名前や金額を収支報告書に記載することを義務づけています。

自民党の5つの派閥の政治団体は、およそ4000万円分を記載していなかったとして告発状が提出され、東京地検特捜部が任意の事情聴取を進めています。

岸田総理大臣は20日朝、総理大臣官邸に入る際、記者団から事実関係を問われたのに対し「報道は承知しているが、捜査機関の個別の活動について政府の立場からコメントは控えなければならない」と述べました。

その上で「一般論で言えば、政治資金の収支報告などについて指摘があれば、それぞれの政治団体で責任を持って点検し、適切に対応すべきものだと考える。それぞれの政治団体で対応していると考える」と述べました。

自見万博担当大臣「法令違反との指摘はあたらない」

 

自見万博担当大臣は、所属する派閥のパーティーで、政治資金規正法の上限を超えるパーティー券代を支出していた疑いがあると一部で報じられたことについて、支出は別の目的で行った寄付で、法令違反との指摘はあたらないとの認識を示しました。

自見万博担当大臣は、自身が所属する派閥の二階派・「志帥会」のおととしのパーティーで、政治資金規正法の上限を超える200万円のパーティー券代を支出し、法令違反の疑いがあるなどと、共産党の機関誌「しんぶん赤旗」で報じられました。

これについて、自見大臣は、20日の記者会見で事実関係を問われ、
支払いの時期はパーティーの開催からおよそ2週間後で、「志帥会」からもパーティー券の買い取りを求められたことはないと説明しました。

その上で「現時点で確認された事実関係などを踏まえると、事後に相応の財政支援を行うために自発的に寄付したものだ」と述べ、支出はパーティー券代とは別の目的で行った寄付であり、法令違反との指摘はあたらないとの認識を示しました。

自民党安倍派 高木委員長「適切に処理をしなければいけない」

 

自民党安倍派の事務総長を務める高木国会対策委員長は記者団に対し「今、事実関係を確認していると聞いている。適切にしっかりと処理をしなければいけないと思っている」と述べました。

立憲民主党 安住委員長「大きな問題、予算委員会で事情聞く」

 

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「ほとんどの派閥で同じような不記載があり、大きな派閥で不記載の金額が1000万円を超えているということであれば、法令違反事案になると思う。ここまで大規模に自民党の派閥が法律を犯すことは戦後、無かったことであり、大変大きな問題だ。関係する派閥の事務総長で、現在、閣僚をしている人もいるので予算委員会でしっかりと事情を聞くことになる」と述べました。