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辺野古代執行、沖縄で抗議集会 「地方を犠牲にした公益はない」
プラカードを掲げ、辺野古移設を巡る「代執行訴訟」で国と争う玉城デニー知事への支持を表明する参加者たち=沖縄県北谷町で2023年11月5日午後0時9分、比嘉洋撮影
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、国が軟弱地盤改良工事に必要な設計変更を県に代わって承認する「代執行」に向けた手続きを進めていることに抗議する集会が5日、沖縄県北谷(ちゃたん)町の屋内運動施設であり、約1800人(主催者発表)が参加した。代執行訴訟で国と争う玉城デニー知事も出席し、「ウチナーンチュ(沖縄の人)はここぞという時に一つになる。わったーや、絶対負けてぃーないびらんどー(私たちは絶対負けてはいけませんよ)」と、ウチナーグチ(沖縄の言葉)を交えて連帯を呼びかけた。
集会は辺野古移設に反対する政党や団体で構成する「オール沖縄会議」が主催。玉城知事を支える国会議員や県議、労働組合関係者らが登壇し、設計変更を承認しない姿勢を貫く玉城知事への支持を訴えた。 主催者代表としてあいさつした稲嶺進・前名護市長は、代執行訴訟で辺野古移設の公益性が争われていることを踏まえ「地方を犠牲に成り立つ公益などあるはずはありません。これこそ差別政策の極みだ」と、移設反対の民意を顧みずに計画を進める国の姿勢を批判した。 玉城知事はあいさつで、辺野古沿岸部の埋め立て予定海域に軟弱な地層が存在することを、防衛省が埋め立て申請(2013年)前の07年に把握していたことに触れ、「埋め立てに向いていないことを分かりながら、埋め立てを(県に)承認させた後でどうにかすれば工事ができるだろうという考えでごまかそうとしていた」と厳しく批判。 その上で、「私が皆さんの矢面に立つ。どんなに厳しい言葉をかけられたとしても、それが『未来はこうした方が豊かになる』という思いなのであれば対話をしたい」とも語り、対話による問題解決を国に求めていく考えを改めて示した。 集会は「国による代執行を許さない」などとするアピール文を採択した。参加した沖縄県南城市の元社会保険労務士、小池喜代子さん(80)は、普天間飛行場から離れた自宅近くでも軍用機が日常的に低空飛行していると語り、「『基地が平和を守る』という人は、沖縄の現状をよく知ってほしい。知って、沖縄を基地だらけの島にしたままでいいのか考えてほしい」と語った。【比嘉洋】