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福島民友新聞
広報いわき臨時号に賛否の声 豪雨被災地視察、市長の写真8枚
内田市長の被災地視察の様子の写真が複数枚掲載されている広報いわき臨時号の表紙
浜通りに大きな被害をもたらした9月の記録的豪雨を受けていわき市が今月1日に発行した広報いわき臨時号で、内田広之市長が被災地を視察する様子の写真が複数枚掲載されていることに賛否の声が上がっている。市民からは「市の懸命な姿勢が伝わる」と評価する声が上がる一方で、「選挙利用ではないか」との意見も聞かれた。
広報いわき臨時号は豪雨の被害状況や支援制度を案内する目的で発行され、通常の広報紙と共に各戸に配られた。全4ページに掲載された19枚の写真のうち、表紙をはじめ8枚に市長の視察写真を使用。市長のメッセージや被災に関する窓口の情報なども掲載した。
市内の30代の会社員女性は「これまでの災害に比べて、市の前向きな姿勢が伝わってきた」と、市長の活動が目に見える形で紹介されたことを好意的にとらえた。一方で、60代男性は「被災特集なのに市長の写真ばかりなのは違和感がある」とした。ある市議は「選挙公報のようだ。私的利用に当たるのではないか」と苦言を呈した。
市広報広聴課の担当者によると、過去の東日本大震災や東日本台風への対応で、市長や市の動きが分かりにくいとの声が市に寄せられたといい「市長が被災地の声を聞く姿を通じて市の姿勢を示したかった。問題なかったと思っている」と説明する。内田市長は「私なりに先頭に立って被災地に対応する姿を見せたかった。今後もさまざまな声を踏まえながら情報を発信していきたい」とした。
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