大地震だけだけでなく地下水の使用でも
地球の自転は影響されるのです
「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その512
島村英紀(地球物理学者)
2004年に起きたスマトラ沖震(M9.4)のときは、北極と南
話は変わる。北米大陸の中西部アイダホ州、ネバダ州などを飛行機
め大豆やトウモロコシなどを生産する。
陽は照っているから、水だけをやれば作物は育つ。この地域はほぼ
20世紀初めまで農業が行われていなかった砂漠地帯でもこのよう
米国でも、他のところには、雨が多くてこんなことをしなくても作
地下水を続けてくみ上げると地下の塩分が出てきてしまうので、耕
地下水を使って灌漑農業をやっているところは米国だけではない。
農業はこれでもいいかもしれないが、供給源・米国中西部に広がる
地中から汲み上げている水のほとんどは、何千年も前のものだ。あ
に雨が降って1週間で地下水層に届くというわけではない。
こうして、いわば未来の人類から資源を奪っているわけだ。
だが、実際に全世界の地下水の利用量を確かめることは難しい。そ
くみ上げられた地下水の量は1993年から2010年にかけて2
これは海の水位を6ミリ変化させるだけの量だ。
このため地球の自転軸の傾きへの影響は年間4.3センチ。199
地下水がもっとも多くくみ上げられたのは米国中西部とインドだっ
もちろん地質学的な期間で見れば、こうした人為的な要因が気候に
地球が宇宙に浮いている球だということを覚えているのは地球物理
(島村英紀さんのHP http://shima3.fc2web.com/
「島村英紀が書いた『夕刊フジ』のコラム」より10月6日の記事