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前那覇市議会議長、3市議に現金か 久高氏「議会質問の見返りに百万円単位の現金渡した」 市議は全面否定
那覇市有地の所有権を巡る交渉取りまとめの費用として、同市議会前議長で市議の久高友弘氏(75)が不動産会社代表=当時=から現金を受け取ったとされる疑惑で、久高氏が13日までに沖縄タイムスの取材に応じ「議会で追及してもらう見返りとして市議3人に百万円単位の現金を渡した」と実名を挙げて証言した。受領した現金の一部を充てたという。市議はいずれも「金を受け取ったことは一切ない」などと全面否定し、双方の主張が食い違っている。
【写真】久高氏「土地調査費として全額使った」 疑惑の否定から一転
元会社代表は市の所有となっている土地登記は誤りだと訴えており、これまでの取材に「議会対策を期待して久高氏に現金を提供した」と話していた。 久高氏は議長だった2021年2月に議長室で5千万円を受け取り、知人女性と連名で領収書に署名したことが分かっている。「現金は全て女性が持っている」と主張していたが、5日の強制捜査以降は「3500万円を自宅に持ち帰った」などと知人女性と分け合ったことを認めている。
久高氏によると、市議に金を渡したのは 議長室での授受から間もない時期。議長のため質問権がない自分の代わりに議会で追及してもらうのが目的だったといい、「『頼むね』と渡した」と証言した。
久高氏は「贈収賄になる可能性もある。こちらから持ちかけたのに、相手(受け取った市議)を犠牲にするのは嫌だ」とも述べた。
市議らはいずれも那覇市有地の問題について議会で質問していたが、金の受け取りについては「一切ない」「事実無根」などと否定した。ある市議は「那覇市の戦後の土地処理がおかしいと感じ、自らの意思で質問した」と答えた。
久高氏によると、元会社代表から受領した現金はそのほか、土地の調査費や市有地に絡む民事訴訟の弁護士費用として2千万~3千万円を使ったという。
■「議員の本分でやった」 久高氏一問一答 久高友弘氏と本紙記者の主なやりとりは次の通り。 -受け取った現金3500万円は何に使ったか。
「2、3千万円は調査費などだ。議長で質問できない私の代わりに質問し追及するよう市議3人にそれぞれ頼み、見返りに100万円単位の現金を渡した」
-現金を渡した議員は実際に質問したか。
「『分かりました』と言ってやってくれた。
成功すれば(市有地が女性のものになれば)選挙資金だとか理由を付けて、さらに謝礼しただろう。億単位になったかもしれない」
-市有地の管理運用を担う会社で取締役になっている。市の追及はビジネスになっていなかったか。
「議員の本分でやったことだ。小さな個人、弱者の味方でいたかった。正しいと思って追及した」
-なぜ今になって正直に話す気になったのか。
「家族に迷惑もかけている。記者が判断すればいい」