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土屋武之・鉄道ライター

豪雨被害のローカル鉄道「復旧まで何年もかかる」理由

 

  •  激しい雨の影響で一部崩落したJR磐越西線の鉄橋=福島県喜多方市で2022年8月4日午後0時半、玉城達郎撮影

 8月に信越地方や東北地方を襲った豪雨で、JR東日本の多くの路線が橋の崩落や路盤の崩壊などの大きな被害を受けた。8月29日現在も、奥羽線、津軽線、五能線、花輪線、磐越西線、米坂線のそれぞれ一部区間が不通となっている。運転再開の見通しは立っておらず、運休は長期化する見込みで、JR以外では秋田内陸線の一部区間も同様だ。

 2011年7月の豪雨災害で橋が流され、長期運休に追い込まれたJR只見線の会津川口―只見間(福島県)の運転が10月に再開されるところだったのに、他の路線で大きな被害が出てしまった。災害は繰り返されると痛感させられる。

 東日本大震災の被災路線などもそうだが、天災に見舞われた鉄道は、復旧までに年単位の時間を要するケースも少なくない。なぜ、長い時間がかかるのだろうか。費用面の問題や復旧工事そのものの難しさなどが挙げられるが、今回はもう少し掘り下げてみたい。

「復旧後」の費用負担も問題に

 1995年1月の阪神大震災で被災した鉄道は、都市圏の通勤通学電車で黒字路線ばかりだったこともあり、大半の鉄道会社が自費で復旧にあたった。その年の夏までにほとんどが運転再開にこぎつけている。

 これに対し、もともと経営が苦しいローカル路線は、地元自治体との交渉に時間がかかるという事情があ…

 

 

 

 

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台風7号、激甚災害指定へ 政府

 政府は22日、各地で被害が出た8月の台風7号による暴風雨を激甚災害に指定する見通しになったと発表した。

 

  被災地の農地などの復旧事業に対する国の補助率を引き上げる。また、鳥取県三朝町は局地激甚災害(局激)として、公共土木施設の復旧事業を支援する。 

 

 松村祥史防災担当相は閣議後記者会見で「被災自治体や被災者には財政面や資金面に不安なく災害復旧に取り組んでもらいたい」と述べた。 

 

 

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台風7号被災から1カ月 今なお片付けに追われ、心休まらない日々/京都・福知山市

両丹日日新聞

 

 

店内に押し寄せた泥水の深さを示す中川さん(河守中央)

 

 京都府福知山市に大きな被害をもたらした台風7号の襲来から15日で1カ月が経つ。市内では復旧作業が進められ、通行規制が解除される道路などがある一方で、今もなお被災した自宅の片付けなどに追われる住民がいる。台風シーズンはまだ続くことから、被災地からは更なる災害の発生に不安を募らせる声も上がっている。

更なる雨に不安

 大江町河守中央で時計店を営む中川英男さん(79)は、自宅兼店舗に泥水が押し寄せる被害を受けた。家族らと協力して3日間で大部分を取り除き、被災から5日後には従来の生活を取り戻した。  中川さんは「屋内は自力で元に戻すことができ、倉庫などからの泥出しはボランティアの方にも協力してもらって、以前のように暮らせるようになりました。ですが、いまだに少しの雨が降ったり雷が鳴ったりすると、心配でたまりません」と、今後の台風襲来や豪雨発生を危惧している。

今も避難生活

蓼原の桐村さん宅。家の周りに大量の土砂が残る(13日)

 同町蓼原に住む桐村義郎さん(82)、洋子さん(77)夫妻は被災から1カ月経つ現在も近くの息子の家で避難生活を続けている。 

 

 豪雨の影響で自宅裏の山から大量の土砂が押し寄せ、家の中にも流れ込んだ。家屋は現在も1階の半分ほどの高さまで土砂で埋まっていて、雨が降るたびに家の中に泥が流れ込むという。土砂で配管などが破損し、水道、電気などのライフラインも途絶えている。 

 

 洋子さんは「土砂を取り除かないことには何も進みません。被災した自宅をながめているだけで何もできず、この1カ月はずっと気が休まらない日々でした」と話す。  家の周囲の土砂は、近隣住民らの手配で、業者が撤去を開始する予定といい、ようやく復旧への一歩が踏み出せると表情を和らげる。 

 

 「大変なことになりましたが、誰もけがが無く無事だったことが何よりです。災害時、家の周囲が泥の海になっていたところを救出してくださった消防職員の方々、業者の手配など助けてもらっている地域の人たちには感謝の気持ちでいっぱいです。出来ることから地道に進めていきたい」と洋子さんは話している。

 

 

 

山陰中央テレビ

「台風7号被害」復旧・復興費は総額360億円 鳥取県で過去最大に(鳥取市)

8月、鳥取県東部を中心に大きな被害があった台風7号に対する復旧・復興費について、鳥取県は、14日、総額で360億円を超え、過去最大の対策予算になることを明らかにしました。 鳥取県・平井知事: 「激甚災害ですね。それ相当の被害額にすでになっているということであります」 14日、平井知事が明らかにした台風7号の被害は、最も大きい農林土木関連で316億円にのぼっています。 鳥取県では、災害復旧にかかる予算規模について、8月の時点では200億円半ばとなる見込みを立てていましたが、その後の現場視察などで新たな被害が確認されるなどしたため、知事の専決処分で予算化した36億円に加えて、新たに331億円の予算が必要と判断したとしています。 このため、総額は367億円となり、2000(平成12)年にあった「鳥取西部地震」での予算総額352億円を超え、鳥取県の災害復旧・復興予算としては過去最大となります。 鳥取県は、国に対しても、関係大臣へ緊急要望を行っており、激甚化した佐治川などの災害被害を踏まえ、中長期的な防災機能の向上を目指すとしています。

山陰中央テレビ

 

 

 

 

毎日新聞

美祢線、大雨で80カ所被災 全線不通 JR西、復旧時期は明言せず

 6月30日からの大雨で被災したJR美祢線の被災状況を調査していたJR西日本は19日、山口市内で記者会見を開き、美祢線全線46キロのうち湯ノ峠(山口県山陽小野田市)―長門湯本(同県長門市)間37キロの区間で計80カ所の被災箇所があったと発表した。復旧時期、被害額については明言しなかった。

 

  【写真まとめ】大雨で駐車場が冠水したショッピングモール 

 

 JR西広島支社の広岡研二支社長が会見に臨んだ。大雨では美祢線沿線で1時間に81ミリの猛烈な雨が降り、厚狭川の水位が通常より約7メートル上昇。橋梁(りょう)流失などの被害が出た美祢線は全線が不通のままとなっており、JRは代行バス運行で対応している。

 

  美祢線の被災状況についての調査はほぼ終了し、盛り土流失など18カ所▽崩土流入・堆積(たいせき)など43カ所▽橋梁変状など9カ所▽電気設備など7カ所――といった80カ所の被害があったとした。 

 

 

 美祢線では2010年7月にも豪雨災害が発生しており、広岡支社長は「橋梁だけでなく、河川管理者(の県)は、厚狭川全体の防災強度(向上)に向けた河川改修を検討する必要がある。(JR西としても)河川改修に対応すると共に、関係自治体と地域交通における美祢線の役割について議論していかなければならない」との認識を示した。 

 

 村岡嗣政知事は9月13日の定例記者会見で「被災した美祢線をいつまでも復旧しないということを一方でやりながら話を進めるということは、事業者として取るべき態度ではない」と述べており、今後のJR西との協議の行方が注目される。

 

  またJR西は、大雨で同様に被災した山陰線でも長門市―小串(下関市)間51キロの区間で計69カ所の被災箇所があったと発表した。このうち、粟野川橋梁の橋脚1本が傾斜した状態になっているといい「このような状態になったメカニズムを調べる必要がある」として、山陰線については更に調査を続けるという。【山本泰久】