ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

北米 2023年7月27日 3:44 日経新聞

NY中心部でクレーン倒壊、11人けが 建設事故相次ぐ

【ニューヨーク=弓真名】米ニューヨーク市中心部のマンハッタンで26日朝、高層ビルの建設用クレーンで火災があり、一部が折れて向かいのビルに衝突し、地上に落下した。ニューヨーク市当局は事故現場付近の道路を封鎖し、クレーンの解体作業や鎮火作業を急いでいる。

 

 

事故が起きたのは商業施設や高層ビルが立ち並び、観光地としても人気があるハドソンヤード地区。現場近くには三井不動産が開発を手がけたオフィスビル「50ハドソンヤード」などもある。

 

 

 

ニューヨーク市消防局(FDNY)によると、米東部時間午前7時30分ごろ、高層ビルの建設現場で資材を運んでいたクレーンが突然発火した。操縦していた作業員は火災の確認後に避難し、無事だったという。原因は明らかになっていない。

 

 

現場付近では住民らが緊急避難を強いられ、一時混乱が広がった。警察が規制線やバリケードを使って周囲を封鎖し、通勤途中の多くの市民が足を止めて事態を見守った。

米メディアによると、これまで消防隊員2人を含む11人がけがを負ったが、命に別条はないという。

 

26日午前11時時点では鎮火が進んだ様子で、すでに火災や煙は見られなかった。それでも救急車や消防隊、警察の車両が並び、緊張状態は続いている。アダムズ市長は事故後、現場で行われた記者会見で「人通りの少ない時間だったため、(被害者のけがが)軽傷で済んで幸運だった」とコメントした。

 

 

マンハッタンでは4月、4階建ての駐車場が倒壊する事故が起き、1人が死亡し、5人が負傷した。のちに建築基準に満たない仕様だったことが判明し、被害者らが補償を求めて係争が続いている。

 

 

2016年には同じマンハッタンで作業中のクレーンが突風で倒壊し、死者1人と負傷者3人の被害を出した。管理不備や整備不良といった人的ミスによる建設事故も相次いでおり、米国では大きな社会問題になりつつある。