ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

『重い十字架』背負い続けた“林真須美死刑囚の長男”改めて母に問う「あの時ヒ素を入れたの?」和歌山カレー事件から25年

林真須美死刑囚

 

 1998年、和歌山市で行われた夏祭りでヒ素を混ぜて4人が殺害された「和歌山カレー事件」から7月25日で25年になります。死刑判決が確定している林真須美死刑囚の長男が取材に応じ、「これからも母を信じ続ける」などと話しました。

 

  【写真で見る】取材に応じた林死刑囚の長男「10歳まではね、手放しで幸せ感じながら過ごしていた」

 

1998年7月、和歌山市園部で行われた夏祭りでカレーを食べた住民が次々に倒れ、子どもを含む4人が死亡、63人が急性ヒ素中毒となりました。 林真須美死刑囚(62)はカレーにヒ素を混ぜ4人を殺害したなどの罪で死刑が確定しています。 今年7月、林死刑囚の長男(35)がMBSの取材に応じました。 (林真須美死刑囚の長男) 「今回、(事件から)25回目の夏を僕は過ごすわけなんですが。10歳までは、本当に手放しで幸せを感じながら過ごしていました。忘れたことのない夏ですね、あの98年の7月というのは」

付けられたあだ名は「蛙の子は蛙」そう言われないよう生きてきた

事件から25年間”死刑囚の息子”というレッテルをはられ、当時周囲からはあるあだ名がつけられたと話します。 (林真須美死刑囚の長男) 「僕は蛙の子は蛙という風にあだ名をつけられました。『自分は林真須美、死刑囚の子供なんだ』というふうなことは、すごく気にしながら生きてきたというか、結局蛙の子は蛙って言われるのが嫌で。できるだけそう呼ばれないような生き方を選択してきた」 林死刑囚からは現在も週に1回程度、長男の元へ手紙が届くといいます。 (手紙より) 「令和4年11月16日水曜日、長男君の面会を楽しみにして母は、もう毎日毎日待ち遠しく過ごしてます」

25年が近づき息子が母に問う「カレーにヒ素入れたの?」

 今年6月、長男が面会に訪れた時、事件について母である林死刑囚に尋ねました。 (林真須美死刑囚の長男) 「25年目が近くなってたので、改めて事件に対して、やったかやってないかっていうのを聞きました。(Q何と聞いたんですか?)改めて聞くけども、あのときカレーに毒物であるヒ素を入れたのかどうかっていうのを聞いたら、『入れてない』って答える」 林死刑囚は「4人がヒ素により死亡したと立証する証拠がない」などとして2回目の再審請求を行っていましたが和歌山地裁は今年1月にこれを棄却。長男によると、これについて林死刑囚は「戦い続ける」と話していたといいます。

 

 (林真須美死刑囚の長男)

 

 「本人が絶対にやってないと言っているので、絶対に負けたくない、自分は絶対やってないってというふうに戦い続けると話していましたね」 事件から25年、長男はこれからも母親を信じ続けると話します。 (林真須美死刑囚の長男) 「見ていた母親の姿と、当日を見てきてる自分の記憶から判決文を照らし合わせたときに、うん、信じようというふうになりました。家族としては…」