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ABCテレビ
弁護士が無断で審理を録音 データ削除要請も拒否 大阪家裁が弁護士会に懲戒請求 過去にも録音巡り制裁裁判に
5月に大阪家裁堺支部で開かれた少年審判で、男性弁護士が事前に申告をせず審理を録音し、その後、録音データの削除要請にも応じなかったとして、大阪家庭裁判所が大阪弁護士会に対し、6月29日付けで懲戒請求していたことがわかりました。
大阪弁護士会所属の中道一政弁護士などによりますと、5月11日に大阪家裁堺支部で開かれた少年審判で証人尋問が開かれた際、事前に裁判所に通告しないまま審理を録音したということです。
その後、中道弁護士は自ら録音したことを申告し、裁判官から録音データの削除を命じられましたが、「正確な調書の作成のために必要である」などとしてこれを拒否。 5日後の期日でも審理の冒頭で裁判官が削除を命じましたが、中道弁護士が応じなかったため、「品位を失うべき非行」として退廷を命じられたということです。
大阪家裁は6月29日付けで大阪弁護士会に対し、中道弁護士に対する懲戒請求をしていますが、「大阪弁護士会で審査中であるため、詳細については解答を差し控える」としています。
中道弁護士をめぐっては、5月30日にストーカー規正法違反の裁判でも裁判の録音をめぐって裁判所から一時拘束され、その後の制裁裁判で「裁判所の業務を妨害した」などとして過料3万円の支払いを命じられていました。
中道弁護士は取材に対し、「録音記録を裁判所が作っているから信頼できるではなく、第3者が客観的な手段で検証してこそ信頼できるため、録音が必要である」とコメントしています。
ABCテレビ
大阪家裁が弁護士の懲戒請求、法廷で録音など「品位失う非行」と主張
中道一政弁護士=2023年6月14日午後1時9分、大阪市北区、山本逸生撮影
大阪家裁堺支部で5月にあった少年審判で、国選付添人の中道一政弁護士が裁判官の命令に従わなかったとして、大阪家裁(西川知一郎所長)が大阪弁護士会に対し、懲戒処分を請求していたことがわかった。懲戒請求は誰でもできるが、裁判所による請求は珍しい。
【写真】大阪家裁所長に就任した西川知一郎氏=2022年10月6日、大阪市中央区、森下裕介撮影
家裁は朝日新聞の取材に、6月29日付で請求したと明らかにしたが、理由は「弁護士会で審査中のため回答しない」としている。家裁が懲戒請求をした例は、記録が確認できる2019年4月以降はないという。
中道弁護士によると、家裁の請求理由は(1)少年審判の法廷の様子をICレコーダーで録音し、裁判官に録音データの消去を求められたが応じなかった(2)裁判官席にあった事件記録を裁判官の許可なく手に取り、審判を受けている少年の保護者に見せた――というもの。弁護士法の定める「品位を失うべき非行」に当たると訴えているという。
中道弁護士は「審判のやり取りが調書に正確に記録されておらず、付添人として必要な対応だった」と反論している。
朝日新聞社
山本逸生 松浦祥子
法廷で録音試みた弁護人を手錠で拘束 大阪地裁、3万円の過料命じる
大阪地裁で30日にあった刑事裁判で、男性弁護人が公判中に録音をしようとしたとして裁判官に退廷を命じられ、応じなかったために手錠で拘束される事態があった。地裁への取材で分かった。男性弁護人によると、その後、「法廷等の秩序維持に関する法律」に基づく「制裁裁判」にかけられ、過料3万円を言い渡されたという。制裁裁判が行われるのは極めて異例。
法廷での録音は、裁判官の許可がなければできない。拘束されたのは、ストーカー規制法違反の罪に問われた被告の男性弁護人で、以前から法廷での録音を認めるべきだとの主張を展開している。朝日新聞の取材に対し、「録音がなぜダメなのか、裁判官に尋ねたが説明がなかった」と述べた。過料に対しては不服申し立てをする方針という。
法廷等の秩序維持に関する法律は、裁判の進行を妨害するなどした人に対し、20日以下の監置か3万円以下の過料、またはその両方を科すと規定している。(山本逸生、松浦祥子)
山本逸生
「そこまでするか」驚く傍聴人 被告の前で弁護士に手錠、法廷で何が
大阪地裁で5月、弁護士が手錠で拘束された後、「制裁裁判」にかけられた。制裁裁判は法廷内の秩序を乱した人などがいた場合の手続きだが、昨年は全国で1件も開かれていない。弁護士が対象となったのは38年ぶりの事態だ。いったい何があったのか。
制裁裁判にかけられたのは大阪弁護士会の中道一政弁護士。5月30日午前、ストーカー規制法違反事件の弁護人として出廷した際、ICレコーダーで公判の様子の録音を試み、裁判官に退廷を命じられたが、従わなかった。
中道弁護士は以前から「法廷での録音を認めるべきだ」と考え、過去にも裁判官に制止されたことがあった。そのためか、地裁はこの日に備え、態勢を整えていたとみられる。
刑事裁判を傍聴していた男性や地裁、中道弁護士への取材によると、開廷前から、法廷の外には法廷警備員ら数人が待機しており、物々しい雰囲気だったという。中道弁護士が自席にレコーダーを置いた状態で開廷すると、岩崎邦生裁判官との応酬が始まった。
裁判官「録音していますよね、やめてください」
中道弁護士「録音を認めない根拠は何ですか」
裁判官「説明する必要はありません。やめないなら退廷を命じます」
弁護士「退廷しません。根拠がありません」
裁判官「法廷警察権を発動します。お願いします」
すると、傍聴席で待機していたとみられる制服姿の法廷警備員2人が駆け寄り、中道弁護士を退廷させようとした。しかし、中道弁護士が従おうとしなかった。
裁判官「手錠をかけてくださ…