マイナンバーは

デジタル公害!

 

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マイナ保険証で「質の高い医療」は“大ウソ”! データ閲覧可能が「40日後」のポンコツぶり

 

 

 

 

 

彼らに医療のデジタル化は無理(加藤厚労相㊧と河野デジタル相)(C)日刊ゲンダイ

 

【集中企画・マイナ狂騒】#21 「本人の受診履歴に基づく質の高い医療を実現する」──。マイナ保険証のメリットについて、岸田首相はそう説明してきたが、“大ウソ”だった。現実は質の向上どころか、ほとんど診療に役に立たないことが分かってきた。ポンコツの極み。頼みの電子処方箋も暗雲が漂う。 

 

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 マイナ保険証の最大のセールスポイントは、受診履歴や処方された薬剤情報が閲覧できるということだ。ところが、医療関係者は「情報が古すぎて診察ではとても使い物にならない」とこう続ける。 「患者さんの医療情報は、レセプト(診療報酬明細書)のデータがもとになっています。医療機関はデータを月末で締め、翌月10日に健保組合などに提出する。例えば、7月1日に受けた受診情報は8月10日にマイナ保険証のデータに反映される。40日後にやっと閲覧できるのです。これでは参考情報にしかなりません」  開業医らでつくる埼玉県保険医協会(以下、埼玉協会)が実施したアンケート(5月16~19日)でも〈情報が遅い〉〈直近の情報を取得できるわけではないのであまり意味がない〉〈お薬手帳で十分〉といった声が寄せられた。

これなら「お薬手帳」で十分

「保険証廃止」反対派7割超(C)日刊ゲンダイ

 こうした状況を打開すべく、厚労省が期待する“切り札”が電子処方箋だ。埼玉協会の担当者は「厚労省は電子処方箋に移行すれば、医療情報のうち薬剤情報については、リアルタイムに閲覧できると説明してきました」と語る。  電子処方箋は今年1月26日に運用が開始された。医療機関・薬局は全国に約23万あり、厚労省は2025年3月までに「ほぼ全施設に導入」という目標を掲げている。ところが、7月9日時点で導入しているのはわずか2.1%(4870施設)にとどまる。厚労省は「高い目標だが、まだ1年8カ月はある。導入した施設でのメリットなど紹介しながら進めていきたい」(医薬局総務課)と答えたが、目標達成は不可能に近い。 「電子処方箋は薬剤情報に限られ、レセプトより範囲が狭く、しかも全体の2割で行われている院内処方(調剤薬局ではなく、受診した医療機関で薬を受け取ること)は対象外です。情報として不十分なのです。電子処方箋導入に対して補助金が出るとはいえ、病院の経費負担も小さくない。そして何より、マイナ保険証の相次ぐトラブルを目の当たりにした医療関係者は、厚労省が進めるシステム導入に強い不信感を抱いている。電子処方箋の導入は任意でもあり、多くの医療機関は導入に前向きになれないようです」(厚労省担当記者)  医療情報の閲覧には最長40日のタイムラグがある上、電子処方箋も普及率2%。これでは「質の高い医療」は絵に描いた餅だ。 「電子処方箋の普及は想定以上に低迷しており、見通しも立たない状況です。岸田政権が掲げる、マイナ保険証による『質の高い医療』の達成は全くメドが立っていないと言っていいでしょう」(前出の埼玉協会の担当者)  マイナ保険証を柱にした“医療のデジタル化”は破綻も同然。それでも岸田政権はゴリ押しするつもりなのか。

 

 

 

 

 

 

相次ぐマイナトラブルで総務官僚“天下り”団体が「利権拡大」焼け太り 血税使い予算6倍増!

 

 

「J-LIS」の前身は「事業仕分け」で批判の的になった(C)日刊ゲンダイ

 

【集中企画・マイナ狂騒】#20  相次ぐトラブルも、利権拡大のチャンスなのか。マイナンバーの問題を巡っては政府やシステムを請け負う民間企業ばかりが矢面に立たされているが、忘れちゃ困るのは制度の運用団体の存在だ。トラブル続出で関連業務が増えるほど団体の「懐」が潤う。焼け太りの構図なのである。 

 

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マイナカード発行など事業の中核を担うのは、「地方公共団体情報システム機構(J-LIS)」。国と複数の地方が共同で運営する組織で、総務省とデジタル庁が所管する。副理事長や理事など主要ポストは所管の総務省出身者が「現役出向」という形で務めてきた。事実上の「天下り」である。 「前身は『住民基本台帳ネットワーク』を運営していた財団法人『地方自治情報センター』で、民主党政権下の『事業仕分け』では2000億円もの公費を受け取りながら住基ネットが普及しないことに批判が集中。天下りの自粛、役員の高額報酬の見直し、調達改善の3点を求められました」(野党関係者)  当時は存続すら危ぶまれたが、2014年4月にマイナンバー制度の導入準備に伴い組織替え。名称も改めて、しぶとく生き抜いてきた。月額の役員報酬も「見直し」を求められた当時(理事長=約96万円、理事=約81万円)から現在(理事長=117.5万円、副理事長=96.5万円、理事=81.8万円)の方が増えている。  そればかりか、マイナカードが急速に普及したことで事業予算も急拡大。18年度決算ベースの約472億円から今年度は約1880億円に約4倍も増えた。うち約1086億円は国からの補助金と委託費、約104億円は地方からの負担金だ。原資はいずれも血税である。  さらにマイナカード発行に関する業務に絞ると、予算は18年度決算の約130億円から今年度は約780億円と実に約6倍増だ。マイナカードの普及枚数や関連業務が増えるほど予算も膨らむ。

 

群がる面々はウハウハ

 

利権をしっかり温存(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ

 

 

 問題は相次ぐマイナトラブルの対策費と称して、さらに血税が注入されかねないことだ。 「河野デジタル相は3年後に導入を目指す新たなマイナカードについて、『新しい読み取り機が必要になる可能性はある』と言及。新システムが再び必要になれば、確実に整備に向けた予算がJ-LISに降りる。関連業務の受注は制度設計に関わった富士通、日立製作所、NEC、NTTデータ、NTTコミュニケーションズの5社が、ほぼ独占。受注企業の多くはJ-LISに社員を出向させる“我田引水”状態で、自民党にもせっせと献金し、幹部官僚OBの天下り先にもなっています」(野党関係者)  この利権構造を断ち切らない限り、“天下り”団体に群がる面々は焼け太りにウハウハである。