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現行保険証廃止「反対」66% 「管理できない」 高齢者施設アンケ
「現行の健康保険証を残すべきだ」と訴える阿部政則会長(右)=山口市で2023年6月28日午後3時14分、脇山隆俊撮影
マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」に統一するため、現行の保険証を来秋に廃止する国の方針を巡り、山口県保険医協会は28日に県庁で記者会見を開き、県内の高齢者施設を対象にしたアンケート結果を公表した。廃止に66・3%が反対する一方、賛成は3・2%にとどまった。同協会の阿部政則会長は「現行の保険証を残すべきだ」と訴えた。
アンケートは、特別養護老人ホームや老人保健施設など県内の454施設を対象とし、このうち187施設が回答した。施設利用者・入所者のマイナカードの申請については90・9%が「対応できない」と答え、理由(複数回答)は「本人の意思が確認できない」77・6%、「手間・労力がかかる」71・2%などだった。マイナカードの管理についても「できない」が大半を占め、理由(複数回答)は「紛失時の責任が重い」が85・9%と最も多く、「不正利用、情報漏えいへの懸念」67・1%も挙がった。 また、県内医療機関を対象とした別のアンケート結果も発表された。窓口でマイナ保険証が示された際、健康保険への加入が有効かを確認できる「オンライン資格確認システム」を導入した144機関のうち63・9%が「保険者情報が正しく反映されていなかった」「カードリーダーやパソコンの不具合でマイナ保険証を読み取れなかった」といったトラブルがあったと答えた。阿部会長は「現場での不安の声が明らかになった。命に関わることだ」と語った。【脇山隆俊】