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北朝鮮 ミサイル
国連安保理 北朝鮮打ち上げで緊急会合も一致した対応とれず
北朝鮮が先月31日、軍事偵察衛星の打ち上げを試みたことを受けて、国連の安全保障理事会で緊急会合が開かれ、各国からは、安保理決議の違反だと非難する意見が相次ぎました。
一方、中国とロシアは、周辺地域で軍事的な緊張を高めているのはアメリカだと反発し、今回も安保理は一致した対応をとることができませんでした。
安保理の緊急会合は2日、日本やアメリカなどの要請で開かれ、各国からは、北朝鮮による弾道ミサイル技術を用いた今回の打ち上げは安保理決議の重大な違反だと、非難する意見が相次ぎました。
このうち、日本の石兼国連大使は「ミサイルか軍事衛星か、成功か失敗かにかかわらず、安保理の決議違反だ」と強く非難したほか、アメリカのウッド国連次席大使は、発射を繰り返す北朝鮮を常任理事国の中国とロシアが擁護しているとして、「中国とロシアは安保理会合の開催さえ『挑発的だ』と主張している」と非難しました。
これに対し、中国の耿爽国連次席大使は、アメリカが朝鮮半島周辺で軍事的な緊張を高めているのが原因だと反論し、「アメリカのアプローチはほかの国の懸念を無視したもので、地政学的な自己利益によってつき動かされている」と非難しました。
また、ロシアのエフスティグニエワ国連次席大使も、アメリカと韓国が大規模な射撃訓練を実施したことに触れ「地域を不安定化させている」と非難し、中国と足並みをそろえました。
安保理では、北朝鮮をめぐり日本や欧米各国と中国、ロシアとの対立が深まる一方で、一致した対応をとることは困難になっています。
石兼国連大使「中国やロシアの主張は当を得ていない」
会合のあと石兼国連大使は記者団に対し「北朝鮮の挑発的な行動は、地域と国際社会の平和と安全を脅かすもので断じて許すことはできない」と改めて北朝鮮を非難しました。
また、中国とロシアが、緊張を高めているのはアメリカだと主張したことについて、「北朝鮮は彼らが設定した計画に従い行動を進めている。1回目に失敗したから2回目を行うと言っている。中国やロシアの主張は当を得ていない」と指摘しました。
そのうえで「現時点で安保理のすべての国の間で認識の一致をみることは難しいが、大多数の国が基本的な認識を共有しているということは、今後、安保理として行動するうえで非常に重要になってくる。われわれとしてはそれに向けてしっかりと働きかけをしていきたい」と述べました。