エネルギー関連の5つの法改正をまとめ、原発の60年超運転を可
東京電力福島第一原発事故後に導入した「原則40年、最長60年
(5月31日「東京新聞」夕刊1面より抜粋)
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「たんぽぽ舎です。【TMM:No4777】2023年5月31日(水)地震と原発事故情報」
GX「束ね法案」の可決成立で原子力推進を狙う岸田政権
運転期間の緩和に加え原子力の“憲法”=
「原子力基本法」も書き換える狡猾さ
日本をほろぼす原発事故を自ら引き入れる暴挙を許すな
法律が成立しても今後一つ一つを止めることで反撃できる
山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
◎ 2023年5月31日、この日は後年に、取り返しのつかない悪法
GX原発推進法、実際の名称は「脱炭素電源法」が参議院で可決成
◎
国会では、自民、公明のほか、維新、国民民主などが賛成した。
賛成議員には、これから原子力災害に対する重い責任がかかってく
これほど不安定かつ、停止しやすい原発に大電力を依存することの
1.「脱原発電源法」を作るべきだった。
2011年3月11日の震災により、多くの人々に避難を余儀なく
原発をなくすためには代替電源を開発する必要があり、火力に依存
二度のオイルショックはその典型だし、政情不安定な国からの調達
従って、当面は火力の高効率化と電源の分散を図り、多くの投資は
電力11社の安全対策費の合計は、2023年1月時点で6兆89
今作るべき法律は、脱原発法だったのだ。
2.ウソ偽りの立法事実
この法案がどれだけ拙速で異様かが、国会審議でも次々に明らかに
60年運転制限(本当は40年制限)を、炉規法から電事法に移す
ならば、安全規制の観点から炉規法に40年としてきた規制を電事
規制委は山中委員長が「運転期間については利活用側の決めること
炉規法を改定した際に運転期間を40年とする制限を盛り込んだの
結局、電気事業者が長期運転停止してきた原発を動かしたとしても
その結果、相対的に原子力災害や長期運転停止による影響は、国民
つまり電力会社など事業者のツケを私たちに回すための法案だ。ど
放射能まみれの汚染物を海に投棄し続け、その被害を全世界の人々
3.具体的な規定は何もできていない
60年を超えて運転出来る規定を電事法に定めたものの、具体的な
これらは今後策定される規則や基準で定められるが、その内容につ
つまり、どれだけ延長可能なのか誰も正確にはわからないまま、法
規則や実施基準を示して、そのような延長を認めて良いのかも含め
規則や基準は国会での議決を要しないので、経産省が省令などで決
この法律は、一般的な行政法ではない。未曾有の災害を引き起こし
また、一度走り出したら容易に変えられない。そんな法律を熟慮も
4.核動力や核拡散、核兵器開発へと突き進む
防衛産業を育成し、武器を他国に売り利益を得たいとの軍需産業側
特に原子力基本法を改訂した最大の理由は、国の責務として原子力
原子力産業がこれから投資したいと考えているのは、小型モジュー
小型モジュール原子炉を搭載した無人潜水艦を武装し、相手国の近
こうしたところに直結する技術開発に日本のメーカーも参入するこ
これが将来、日本の核武装にも直結することになるかもしれない。
5.法律が成立しても今後一つ一つを止めることで反撃を強めよう
この法律が可決成立しても、すぐには施行できない。
先ほど述べたとおり、実施するための規則も規定もできていない。
そのため施行日は「2年以内」とされている。最長2年先にならな
まず、これら規定を作る過程を問題にし、追及していかなければな
さらに、施行されるまでに原発を運転停止に追い込む取り組みもで
防災(避難)計画の不備で運転停止を命じられている東海第二原発
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