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杉田氏の逆転敗訴 従軍慰安婦などの研究に対するツイッター巡る訴訟


大阪地裁=2020年10月15日、大阪市北区

 自民党の杉田水脈(みお)・衆院議員(56)にツイッターなどで研究内容を中傷され、名誉を傷つけられたとして、大阪大の牟田和恵名誉教授ら4人が杉田氏に計1100万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が30日、大阪高裁であった。清水響裁判長は、訴えを退けた一審・京都地裁判決を変更し、杉田氏が牟田名誉教授に対し33万円を支払うよう命じた。ほかの3人については控訴を棄却した。

 

 昨年5月の一審判決によると、牟田名誉教授ら4人は2014年から4年間、国から科学研究費1755万円を受け、性の平等に向けた国内の女性運動や従軍慰安婦問題を研究していた。

 

杉田氏は18年3~6月ごろ、自身のツイッターで「国益に反する研究」「反日活動」と書き込んだほか、インターネット番組などでも批判したが、一審判決は「社会的評価を低下させるものとは認められない」などとして訴えを退けていた。

 

 

 

 

 

杉田水脈衆院議員に『33万円の賠償』命じる判決 杉田議員「ねつ造」「反日研究」とSNSで中傷…大学教授らが賠償求め訴訟

 

MBSニュース

 

SNSで「反日」などと中傷されたとして、大学教授らが杉田水脈衆院議員に損害賠償を求めた裁判で、5月30日、大阪高裁は、1審を覆し杉田議員に33万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。

 

 大阪大学の牟田和恵名誉教授らは、文部科学省などが交付する「科学研究費」を使ったジェンダー問題に関する研究の論文を2019年に発表したところ、その一部に「従軍慰安婦問題」に関する記述があったことから、杉田水脈衆議院議員が「ねつ造」「反日研究」などとツイッターに投稿するなどしたということです。 牟田名誉教授らは、投稿が「無理解と偏見に基づくもので、名誉を傷つけた」などとして、杉田議員に対し1000万円の慰謝料を求めて訴えを起こしました。

 

 1審の京都地裁は2022年、「単なる意見論評にすぎず、社会的評価を損なったとはいえない」などとして、訴えを退けたため、牟田名誉教授らが控訴していました。

 

 5月30日の判決で、大阪高裁は1審を覆し、杉田議員に対し賠償を命じる判決を言い渡しました。

 

大阪高裁は、杉田議員がインターネットの番組で話した、牟田名誉教授が科研費の使用期限を過ぎても研究に支出し「ずさんな経理をしている」と発言したことについて、「証拠上、期限を過ぎても支出されたと認めるに足りる証拠はなく、摘示された事実が真実であるとは認められない」として、牟田名誉教授に33万円を支払うよう杉田議員に命じる一方、他の大学教授らについては名前が触れられていないことから控訴を棄却しました。

牟田名誉教授ら「研究者生命を危うくする暴言」杉田議員側「控訴棄却」求めていた

大阪高裁での審理で、牟田名誉教授ら側は、「杉田議員の投稿は、研究者生命を危うくする深刻な暴言で、実際に『科研費の使い方に不正があったのでは』『論文はねつ造ではないか』といった問い合わせが寄せられた」と訴えました。一方、杉田議員側は「国会議員としての政治活動の中で、科研費制度に意見を述べたにすぎない」と控訴を棄却するよう求めていました。

判決後の双方のコメント

判決後の会見で牟田名誉教授は次のように話しました。 

 

(大阪大学 牟田和恵名誉教授) 「国会議員という責任ある立場でありながら、裁判所が認めるくらいの不法な行為をしたということを真摯に受け止めていただいて、それなりの責任をとっていただくことを私は求める」 

 

一方、杉田議員の事務所は次のようにコメントしています。 

 

(杉田水脈事務所のコメント) 「ねつ造や反日といった表現について名誉毀損とは認められないなど、当方の大部分の主張が認められたものと受け止めている。なお、一部認められなかった点については今後精査する」