再掲:2020年5月13日
たんぽぽ舎です。【TMM:No4764】
2023年5月12日(金)地震と原発事故情報-
珠洲原発(石川県)建設予定地を襲う地震
建設されていなかったことが幸いし原発事故を回避した
山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
◎珠洲市で群発性の地震発生
2023年5月5日、石川県珠洲市でマグニチュード6.5、震源
この地では、2022年6月にも、マグニチュード5.4、最大震
一つ一つの地震は大きくないとしても、この一連の群発地震のなか
2022年6月の地震に比べても今回の地震はエネルギー比は約4
今後もマグニチュード7を超える地震が起きない保障もない中で、
◎珠洲原発計画とは
1975年に計画が明らかになった珠洲原発計画。
ここは北陸電力管内だが、関西電力、中部電力と北陸電力が共同で
計画地は2カ所あり、寺家(じけ)地区と高屋地区が候補地とされ
2カ所はかなり離れていて、寺家地区は日本海に面しており、高屋
計画の発端は珠洲市議会全員協議会が1975年に原発建設の適否
これが事実上の原発誘致表明に当たる。
珠洲市は能登半島の先端という場所もあり、人口減少が進んでいた
そのための地域振興の一環として原発誘致至ったとされる。
住民運動の動きがそれに続いた。
1978年3月25日に珠洲原発に反対する3者(地区労、日本社
1979年に米スリーマイル原発事故、1986年の旧ソ連チェル
関西電力は1989年には高屋地区で立地可能性調査を試みたが住
関西電力の動きに対し、高屋では、昼夜を問わず監視行動が続けられ、NHKでも全国放送のドキュメンタリー番組「原発立地はこう
市役所ぐるみの原発推進と市長選挙での不正、違法行為が横行した
2003年12月に関西・中部・北陸電力の3社長が珠洲市役所を
28年間に及んだ珠洲原発計画は,調査も出来ないまま撤退したの
(以上は主に『石川県教組珠洲支部50年誌 いばらの歩み』を参考にした)
◎珠洲原発があったらと思うとぞっとする
この地に珠洲原発が2基計画されていた。135万kW級が2基と
が、おそらく高屋地区が関電なのでこちらは加圧水型軽水炉、寺家
が中部北陸電力なので沸騰水型軽水炉が建設される予定だったと思
今回の地震の震源と建設予定地の位置を地図上にプロットした図(
もし仮に、東日本大震災を起こした地震が2011年に発生せず、
おそらく、柏崎刈羽原発のように真下で起きた地震により重大な損
今回の地震では、防災科研の強震動データに基づけば最大加速度7
一般に原発の基準地震動は、原発の基礎板よりも深いところにある
地盤によっては地表面よりも大きな揺れになる場合もある。
実際に中越沖地震がそうだった。(柏崎刈羽原発では地表面700
珠洲原発が建設されていたならば、基準地震動と同程度の揺れに襲
これでメルトダウンをするかどうかは、何がその後起きるかにより
しかもこの地点は、群発地震の様相を呈しており、これまでも繰り
◎原子力規制委は志賀原発の活断層を否定したが
規制委は3月3日の審査会合で志賀原発の敷地内にある断層が13
これにより敷地の断層のうち、S-1、S-2・S-6の断層につ
しかし珠洲地震のように、それまで大きな地震が知られていないと
また、これらの断層は地震を起こす主断層ではなく別の活断層が動
断層といってもわずかに地表近くの地盤を調べたに過ぎず、地下1
断層が露出しているようなところでは、その地域で大きな地震が頻
志賀原発は7つの断層に囲まれている。そのうえ前面の海域には、2007年能登半島沖地震の震源となった活断層を含む活断層に囲
このような地域に立地したこと自体、大きな間違いであることを珠
(初出:5/12発行、たんぽぽ舎「金曜ビラ」)
※地震関連記事
千葉県木更津で震度5強 M5.2 千葉・神奈川4人けが
11日午前4時16分ごろ、千葉県木更津市で震度5強の地震があ
東京都心や横浜市でも震度4を観測した。気象庁によると、震源地
津波はなかった。(後略) (5月11日「東京新聞」1面より抜粋)