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「女性を産む機械だと思うな」(Yさん 22歳) 「今の生活が苦しければ奨学金減免だけでは子どもは産めない。どこが異次元?」(Kさん 24歳) 「さも等価交換かのような雰囲気で『子どもを産む負担を負わせる代わりに減額してあげるよ』って言われているのと同じなのがきつい…」(Aさん 23歳) 「子どもを産まない・産めない人は対象にならないのは、国民の中で分断を生むと思う」(Hさん 23歳)
・3月2日に自民党の「教育・人材力強化調査会」が「異次元の少子化対策」への提言で、学生時代に奨学金の貸与を受けた人が子どもをもうけた場合、返済額を減免することを柱とする案を示したこと ・多くの批判を受け、3月10日の「子ども・若者輝く未来実現会議」では提言されなかったものの、3月13日に自民党の衛藤晟一議員が、地元に帰って結婚・出産をしたら奨学金を減免する主旨の発言をしたことに対する、首都圏学生ユニオンメンバーと友人たちの反応です。私たちは大学生・大学院生が中心に活動している団体で、メンバーには、今まさに貸与型奨学金を受け、働きながら学業に励んでいる人がいます。 この案と発言に、私たちは大きなショックを受けました。奨学金の返済額が減るかもしれない、とは喜べませんでした。
しかしこの案では、子どもは産みたくない人、産めない人、そもそも結婚の権利すら保障されていない人など、完全に蚊帳の外の人たちがいます。
ハンガリーでは、2018年から同様の政策により出生率が上がったものの、手厚い保障は「結婚した男女」に限定されることが批判されています。
また、奨学金の減免のために合意なく子どもを産ませるなど、新たなDVの温床となる可能性もあります。 ましてや「地元に帰る」だなんて、女性を家に閉じ込め、家事・育児などのケアを担わせたいという願望の現れのように感じます。
罪悪感しか抱けない。 奨学金返済を控えた当事者である私たちの実感とはまったく「異次元」の、奨学金を盾にした脅しのような議論が進んでいることに、怒りと悲しみが隠せません。
私たちが連携する「フードバンクキャラバン」が今年2月25日に豊島区で行った食料配布の利用者には正社員の方も多く、その平均月収はたった約22万円でした。 奨学金の返済があろうとなかろうと、コロナ禍と物価上昇によって生活苦を強いられる深刻な貧困状況を、私たちは目の当たりにしています。
しかし、長時間労働、男性の育休取得の難しさ、女性の産休・育休後の復職の難しさ、ジェンダーギャップ、気候危機… 様々な要因が、私たちから「子どもを育てる未来への希望」を奪っています。
奨学金の減免、それも出産と引き換えとする政策は「異次元の子育て政策」には、まして中心となる“柱”には、決してなり得ません。
発信団体:首都圏学生ユニオン
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