日刊IWJガイド・非会員版「もはや歯止めのかからない『脱ドル』への動き! ブラジルが『BRICS内共通通貨の創設』を提案、アルゼンチンが人民元(幣)建て決済へ」2023.4.30号~No.3881号
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■はじめに〜米国主導の対露制裁が裏目に! もはや歯止めのかからない「脱ドル」への動き! これまで「米国の裏庭」扱いされていた南米で、ブラジルのルラ大統領が「BRICS内の貿易に使う共通通貨の創設」を提案、アルゼンチンが中国からの輸入をドル建て決済から人民元(幣)建て決済に移行すると発表! BRICS諸国はすでに購買力平価GDPでG7を凌駕!
ウクライナ紛争が始まって1年と2ヶ月が経ちました。
欧米諸国による果てしないウクライナへの武器支援、そして対露制裁の徹底が、米国にとって裏目に出ています。
2023年に入って顕在化してきた、グローバルサウス諸国の脱・米国依存、脱・ドルの動きはまるで「一斉蜂起」のようです。
「米国の裏庭」扱い、即ち、事実上の「植民地」扱いをされてきた南米では、ブラジルとアルゼンチンが新たな脱・ドルの動きを見せました。
『ロイター』(27日)は、ブラジルのルラ大統領が26日、BRICS(新興5カ国)間の貿易決済に使う共通通貨の創設を支持する考えを示した、と報じました。
ルラ大統領「欧州諸国がユーロを創設したように、BRICS内にこの国々の貿易通貨を創設することを支持する」
※BRICS共通通貨の創設を支持=ブラジル大統領(ロイター、2023年4月27日)
https://jp.reuters.com/article/spain-brazil-lula-idJPKBN2WO01M
すでにブラジルは3月、中国との二国間貿易を、人民元(幣)とレアルで決済することで合意しました。ブラジルは、南米最大の経済大国です。
※中国、資源で人民元決済拡大(日本経済新聞、2023年4月10日)
https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=011&ng=DGKKZO70037450Z00C23A4FF8000
アルゼンチンは、南米3位の経済規模です。
アルゼンチン政府も26日、中国からの輸入に対する決済をドル建てから人民元建てに変更すると発表しました。『ロイター』(27日)によると、アルゼンチン政府は、4月には約10億ドル相当、その後は毎月約7億9000万ドル相当を人民元建ての支払いに変更することをめざしています。
アルゼンチンのマサ経済相は中国大使や企業との会合後、この決定は「ドル準備高減少への対策」であると説明しています。アルゼンチンが輸入の人民元建て決済を進めれば、目減りし続けているドル準備高を温存できるというメリットがあります。
※アルゼンチン、中国からの輸入決済を元建てに ドル流出対策で(ロイター、2023年4月27日)
https://jp.reuters.com/article/argentina-economy-idJPKBN2WO03H
現在、BRICSグループはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカによる5カ国ですが、さらに19カ国がBRICSグループへの参加に関心を示しています。イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンなどの中近東の国々や、南米のアルゼンチン、アフリカのアルジェリア、エジプト、東南アジアのインドネシアなど19カ国が正式・非公式に加盟を申請しています。
※【IWJ号外】日本政府は首の皮一枚残して、「米国の奴隷」であることを拒んだのか!? 日本とEUが、G7広島サミットに向けて米国が提案した「対露全面制裁」を「不可能」だと拒否! 2023.4.27
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515720
まだ、19カ国のすべての名前が表に出てきていませんが、仮に、今名前が出ている諸国がBRICSに加盟し、24カ国になると、その名目GDPは30兆ドルを超え、世界名目GDPの3割を占めます。2022年の実績で計算すると、以下の通りです。
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