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新区割り周知も、現行で補選 「再周知」に頭悩ます千葉・市川市選管

市川市が3月25日付で発行した選挙特別号の広報誌。4月に行われる千葉5区補選が現行の区割りで実施されることなどを解説している=2023年3月28日、石塚孝志撮影

 

 「1票の格差」の是正に向け、2022年11月に衆院の区割りを変更する改正公職選挙法が成立したが、4月11日に告示される千葉5区補選は現行の区割りが適用される。これに頭を抱えているのが、選挙区のある市川市選挙管理委員会だ。新たな区割りをいったん市民に周知した直後に5区の薗浦健太郎元衆院議員が辞職し、現行の区割りでもう一度選挙が行われることになったためだ。有権者の混乱を防ごうと、広報誌で特集を組むなど「再周知」に躍起だ。【石塚孝志】

 

  市川市は市内で選挙区が分断されている自治体だ。

 

現行の区割りでは、南部が浦安市と共に5区を、北部が松戸市の一部と共に6区を形成している。

 

これが公選法の改正によって、現6区の市北部は船橋市西部と同じ4区に組み込まれる。更に「中山」など現5区に割り振られていたエリアの一部も市北部と同じ4区に移る。

 

 

  市選管は、改正公選法の成立直後の昨年12月、新たな区割りの周知に乗り出した。市の広報誌に掲載した他、対象地域の掲示板に「次の総選挙から変更になります」などと書かれたチラシを掲げた。

 

  ところが、その直後に5区選出の薗浦氏が「政治とカネ」の問題によって辞職。現行の区割りのまま補選が行われることになり、市選管は改めて今の区割りを市民に知らせる必要に迫られた。

 

  市選管は3月25日付の市の広報誌で選挙特別号を組んだ。その中で、今回の補選が現行の区割りで実施される理由や、次期衆院選では新たな区割りが適用されることについて、「Q&A」の形で丁寧に説明している。

 

  複雑さに拍車を掛けるのが統一地方選だ。市川市では衆院補選と同じ日に市議選も投開票される。ただ、選挙期間が異なるため、衆院補選の期日前投票が4月12日から始まる一方、市議選は17日以降にならないと投票できない。市選管は「丁寧に説明していきたい」としている。