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毎日新聞 2023/3/16 11:32(最終更新 3/16 11:38)
日経平均株価も大幅反落 クレディ・スイス懸念で世界同時株安か
16日午前の東京株式市場の日経平均株価(225種)は大幅反落した。スイスの金融大手クレディ・スイスの経営不安から金融システムの先行き懸念が強まり、15日の欧米市場で株価が急落。東京市場もこの流れを引き継ぎ、世界同時株安の様相となっている。日経平均の下げ幅は一時500円を超え、約2カ月ぶりに節目の2万7000円を下回った。
午前11時現在は前日比324円53銭安の2万6904円95銭。
ロイター通信は15日、経営再建を進めるクレディ・スイスに対し、筆頭株主であるサウジアラビアの銀行が追加出資を見送ると報じた。シリコンバレー銀行など米国の銀行破綻に続き、財務基盤の脆弱(ぜいじゃく)なクレディの信用不安が広がり、クレディ株が暴落。欧州市場では金融株を中心に株価が急落し、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均の下げ幅は一時720ドルを超えた。【杉山雄飛、ワシントン大久保渉】
毎日新聞
クレディ・スイス、中銀から最大7兆円調達へ 信用不安沈静化図る
クレディ・スイスの旗=ロイター
金融市場でスイスの金融大手クレディ・スイスの信用不安が広がっている。米シリコンバレー銀の破綻に続き、財務基盤の弱いクレディに対する先行き警戒感が広がり、15日の欧州株式市場でクレディ株が暴落した。
スイス国立銀行(中央銀行)と同国の金融規制当局は同日、「必要があれば流動性を供給する」とクレディの支援を表明。
クレディは16日、スイス国立銀行の資金供給枠から最大500億スイスフラン(約7兆1000億円)を調達する計画を発表し、信用不安の沈静化を図っている。
クレディは14日に公表した年次報告書で、過去の財務報告の内部管理に「重大な弱点」があったと発表。
15日には筆頭株主サウジナショナル銀行がクレディへの追加投資を見送ると報じられ、クレディ株は一時、前日比30%超下落し、過去最安値を更新。また、欧州の主要株式市場も金融株を中心に急落した。
市場に動揺が広がる中、スイス国立銀行と金融当局の連邦金融市場監督機構(FINMA)は15日の共同声明で、クレディ株下落について「米国の銀行の問題がスイスの金融市場に波及する直接的なリスクはない」と強調。
「資本と流動性に関する厳格な基準がスイスの金融機関の安定を保証しており、クレディ・スイスはその要件を満たしている」とし、「必要があれば、スイス国立銀行が流動性を供給する」と表明した。
これを受け、クレディは16日未明、スイス国立銀行からの資金調達計画を発表。「流動性を強化するため断固たる行動を取る」と強調し、信用回復に努めた。 クレディは米投資会社「アルケゴス・キャピタル・マネジメント」関連の取引で巨額の損失を出し、2021年1~3月期の最終(当期)損益は2憶5200万スイスフラン(約360億円)の赤字を計上するなど業績が悪化。経営の立て直しを進めている。【ブリュッセル宮川裕章】