■はじめに〜シーモア・ハーシュ氏によるスクープ「いかにして米国はノルドストリームパイプラインを破壊したか」を、米国政府は全否定するも、その余波は収まらず! ダンマリを決め込む米政府に対し、ロシアと中国の外務省はそれぞれ米国に説明を要求! ドイツ野党党首は「連邦政府はこの疑惑を調査すべきだ」とツイート! ハーシュ氏は「ご期待ください。我々はまだ1塁にいるに過ぎない」と意味深長な記事を投稿! ハーシュ氏スクープの余波が広がる!
おはようございます。IWJ編集部です。
2月8日にシーモア・ハーシュ氏によるスクープ「いかにして米国はノルドストリームパイプラインを破壊したか」を発表し、米国政府はスクープの内容を全否定しましたが、その余波はゆっくりと広がっています。
ご存知の通り、IWJはハーシュ氏のスクープ記事をいち早く日本語に仮訳し、号外で会員の方々にお届けしました。公益に鑑み、近日中に全文をサイト上で公開します。
※How America Took Out The Nord Stream Pipeline(米国はいかにしてノルドストリーム・パイプラインを破壊したのか)(Seymour Hersh、2023年2月8日)
https://seymourhersh.substack.com/p/how-america-took-out-the-nord-stream
※シーモア・ハーシュ氏によるスクープに関するIWJの号外記事はこちらです。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/シーモア・ハーシュ
ロシア外務省のザハロワ報道官は8日、ハーシュ氏によるスクープを受け、「米政権は全ての事実に対しコメントする必要がある」と訴えました。
※訂正-(9日配信記事)ロシア、米に回答要求 ノルドストリーム爆発に関与との報道受け(ロイター、2023年2月9日)
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-nordstream-russia-idJPKBN2UI1T3
『RT』(9日)によると、ロシア大統領府の報道官、ドミトリー・ペスコフ氏も9日、ノルドストリーム爆破事件に関する調査が静かに縮小されていることを懸念しているとし、「この重要なインフラに対するこの前例のない攻撃に対する開かれた国際調査の必要性」を訴え、「加害者を見つけて処罰せずにこのままにしておくことは不可能である」と、述べました。
※Kremlin reacts to Nord Stream sabotage claim(クレムリンはノルドストリームの妨害行為の主張に反応する)(RT、2023年2月9日)
ホワイトハウスはハーシュ氏の情報について「全くの虚偽で、完全なでっち上げだ」と主張しています。
『TASS』は8日、ホワイトハウス国家安全保障会議の広報官であるエイドリアン・ワトソン氏が、ハーシュ氏のスクープについてのコメントを求めた『TASS』の記者に対して、「これはまったくの虚偽であり、完全なフィクションだ」と語った、と報じました。
『TASS』は、米国務省、国防総省、および米海軍の報道機関に、ハーシュ氏のスクープについてコメントを求めたが、回答はまだないと書き添えています。
※White House denies US Navy's involvement in blowing up Nord Stream 2(ホワイトハウスは、ノードストリーム2の爆破に米海軍が関与したことを否定している)(TASS、2023年2月8日)
https://tass.com/world/1573463
しかし、米国政府の全否定にもかかわらず、ジャーナリズム界の「生ける伝説」とも呼ばれるハーシュ氏のスクープの衝撃は、日本を含めた西側メディアが沈黙を守る中、静かに広がっています。
ロシアに亡命した米国の、国家安全保障局・CIA元職員のエドワード・スノーデン氏は、自身のツイッターで以下のようにツイートしました。
「ホワイトハウスがその責任を負っているにもかかわらず、断固として否定した秘密作戦の歴史の事例をみなさんは覚えていますか?(後略)」
※Edward Snowden@Snowden(午前1:52・2023年2月9日)
https://twitter.com/Snowden/status/1623364061877649408
スノーデン氏は、「EU-USA代表団会長、EU・英国友好協会副会長、ハーバード大学CES シニアフェロー、CSIS特別政治家」という肩書きをもつラデク・シコロスキー氏が、ノルドストリームが破壊されメタンガスが海面に噴き出ている写真に「Thank you, USA」というコメントをつけてツイートした「魚拓」もあわせてツイートしました。
※Edward Snowden@Snowden(午前2:01・2023年2月9日)
https://twitter.com/Snowden/status/1623366314768343040
ノルドストリーム爆破によって、深刻な影響を受けたのはロシアばかりではなく、ドイツも同じ立場です。
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