「敵基地攻撃能力」は、岸田文雄と自公政権による、日本国憲法と自由権規約第20条、ユネスコ憲章、世界人権宣言違反の国際テロ事件です。

 

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2023年1月15日 06時00分東京新聞

防衛費大幅増など手土産喜ぶアメリカ、戦争に巻き込まれる懸念が現実味の日本 ワシントンで首脳会談

 岸田文雄首相は13日、就任後初めてワシントンで行われた日米首脳会談に臨んだ。昨年末に決定した敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有や、防衛費の大幅増という安全保障政策の大転換は、バイデン大統領を喜ばせる手土産となった。台湾を巡る米中の緊張が続く中、日本が戦争に巻き込まれる懸念が一段と現実味を増したことも意味する。 (金杉貴雄、ワシントン・吉田通夫)

 

13日、米ワシントンのホワイトハウスで、バイデン大統領(右)の歓迎を受ける岸田首相=AP

◆敵基地攻撃能力「効果的な運用」が意味するもの

 ホワイトハウスの南正面玄関。バイデン氏は、首相が車から降りるのを待ちかねたように歩み寄り、満面の笑みで両手を差し出し、肩を抱いて歓迎した。

 

 バイデン氏は会談で、日本の防衛予算の増額や敵基地攻撃能力の保有を明記した国家安保戦略に触れ「意見の相違を見つけるのは難しい」と賛辞を贈った。会談後に発表した共同声明にも、日本の防衛力の抜本強化への「称賛」が盛り込まれた。

 米側は、一貫して日本の防衛力強化を支持してきた。日米議員連盟共同議長ホアキン・カストロ下院議員(民主党)ら超党派議員6人は、首脳会談を受けて声明を発表し「会談は日本が新たな安保戦略を発表した直後に行われ、日米間の緊密な協力関係を示している」と評価した。

 

 米側の歓迎は、中国と熾烈しれつな覇権争いを続ける環境下での安保戦略に、今まで以上に同盟国の日本を組み込みたい思惑の表れだ。軍事面での日米一体化は確実に加速する。

 

 中でも踏み込んだのは「効果的な運用」で協力すると一致した敵基地攻撃能力。先の日米防衛相会談では、具体化へ集中協議を進めることで合意した。今後、日米は有事の相手国への攻撃を想定した「共同作戦」の実戦シミュレーションを練り、いずれ合同訓練にも組み込まれるはずだ。台湾を巡って米中が衝突すれば、実際に発動されることもあり得る。

◆既に台湾有事の想定は自衛隊の参戦が前提

 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は今月、中国が台湾に侵攻した場合の机上演習結果を公表した。ほとんどの想定で米軍は台湾防衛に成功するが、自衛隊の参戦が前提。日本は、国土全体を射程に入れる中国のミサイルで在日米軍基地などが攻撃され、甚大な被害を受けるとも指摘した。日本の敵基地攻撃能力には触れていないが、領土の内外で軍事的な役割が高まるほど、戦争の当事者になる可能性も強まる。

 

 日本の防衛省幹部は「台湾有事は絶対に起こしてはいけない」と抑止力強化の必要性を強調。だが日米が軍事力を増強すれば中国も対抗し、予期せぬ衝突が起きかねない安全保障のジレンマがあることも事実だ。

 

 国民の命に関わる重要な問題にもかかわらず、首相は閣議決定だけで安保政策の大転換を決定した。昨年5月、東京での日米首脳会談でバイデン氏に防衛費の「相当な増額」を約束した時も同様だが、またも国会の議論を経ないで既成事実化を進めようとしている。

 

 立憲民主党の泉健太代表は14日、談話を発表し「防衛増税も防衛力の抜本的な強化も、国会審議や国民の納得もないまま米大統領らに説明した。国民主権の原則に照らしても、国民への説明と国会論戦が先だ」と批判。首相の姿勢に、自らが率いる自民党岸田派の関係者は「米国は大喜びだろうが、異常だ」と漏らした。

 

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