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毎日新聞

原発立地でも雪で停電「ブラックジョーク」 柏崎市長が国に苦言

新潟県柏崎市の桜井市長=同市役所で、内藤陽撮影

 

 「世界最大の原発立地点でありながら、4日間も停電し、笑えない世界最大のブラックジョークだ」。新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は23日、政府の「グリーントランスフォーメーション(GX)実行会議」がまとめた基本方針について、今回の豪雪被害に触れながら、国に早期実践を求めるコメントを発表した。

 

 

  【車が立ち往生した新潟県柏崎市の国道8号】 

 

 同方針で市が関係する内容として、桜井市長は、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働▽原発稼働期間、安全審査▽洋上風力発電の海底直流電の柏崎揚陸▽水素に関わる事業展開――の4点を挙げ期待感を示した。

 

  原発の新増設、リプレース(建て替え)推進に理解を示す一方で、「使用済み核燃料、バックエンドの問題に解決の道が開けない限り難しい。まず今回国民的議論が行われていない」と指摘した。

 

  その上で、原発を徐々に減らし、再生可能エネルギーを産業化していく方針に変わりはないと説明。「当面、原発利活用を安全安心が得られるよう進めてほしい。国は全面的に前面に立つべきだ」と改めて強調した。  桜井市長は最後に今回の大雪に言及。「真っ暗で、寒い夜を過ごさせ、30時間以上の交通障害を生じさせた事実は、笑うに笑えない世界最大のまさにブラックジョークだ」と訴え、こうした事態防止に向け、国に正確な見極めと迅速な判断、実践を求めた。【内藤陽】  

 

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 東北電力ネットワーク新潟支社によると、先週からの大雪や23日からの暴風雪の影響で倒木が配電線を断線するなどし、24日午後5時時点で県内の5300戸(速報値)が停電している。自治体別では、村上市で3500戸

▽佐渡市で1800戸

▽関川村で40戸--など。

 

同支社は「23日以降に新しく発生した停電地域や、現地に赴くのが困難な地域以外から随時復旧を進めている」としている。

 

  停電などの影響を受け、佐渡市は避難所を開設。23日午後4時時点で停電が続く同市赤泊地区の赤泊行政サービスセンターなどを中心に計3カ所で計18人が避難している。【露木陽介