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デイリー新潮
“腹心”薗浦健太郎代議士の辞職で、「麻生太郎」副総裁の求心力急降下 地元市長選でも「ご乱心」
麻生太郎自民党副総裁
岸田政権が支持率低迷に喘ぐなか、またしても、「政治とカネ」の問題が勃発した。自民党衆院議員・薗浦健太郎氏が、パーティーなどで得た収入を政治資金収支報告書に少なく記載し、約4000万円もの裏金を作っていたとして、12月22日、東京地検特捜部に略式起訴された。それに先立つ12月21日、薗浦氏は議員辞職し、自民党からも離党。薗浦氏は自民党の第3派閥「志公会」の重鎮で、その領袖である麻生太郎自民党副総裁の腹心としても知られており、今回の件が、党内での麻生氏の求心力低下につながるという見方が強まっている。そんな麻生氏、お膝元である福岡県の市長選でも、不可解な行動で顰蹙を買っているという。
政治部記者が振り返る。 「薗浦氏は東大法学部を卒業後、読売新聞に入社し、記者職を経て、麻生氏の議員秘書に。その後、2005年の衆院選に千葉5区から出馬して初当選。以来当選5回を数える重鎮です。その出自から、麻生太郎の腹心としても有名で、麻生派の後継候補の一人でもありました」 そんな薗浦氏が議員辞職となれば、麻生氏にとっても相当な痛手に違いない。 「罰金刑が確定すれば基本的に5年間の公民権停止となります。だからこそ、麻生氏は、薗浦氏がなるべく早く政界に復帰できるよう、陰に陽に説得を続けた。検察側の心証を損ねないよう、起訴の前に自ら議員辞職させ、略式起訴に持ち込み、公民権停止期間が短縮されるよう取り計らったというわけです。公民権停止が3年に留まれば、次の総選挙にも出馬できますからね。とはいえ、もちろん補欠選挙が行われて別の候補者が当選するわけですから、必ず戻って来られるかは微妙です」 さらに、 「そもそも、腹心の薗浦氏が違法な手段で裏金を作り、銀座で豪遊していたとされるわけで、麻生氏への党内の風当たりは強まっていますよ。“そんな人が副総裁でいいのか”、という声も出ています。盟友・安倍元総理も亡くなってしまった今、麻生氏の求心力は著しく低下しています」
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焦り
この麻生氏の「ご乱心」に自民党関係者は怒りを隠さない。 「党の副総裁という立場の人間が、個人的な感情で、党が推薦する候補者を応援しないとは前代未聞です。何よりまず、明らかな党則違反でしょう。これを良しとしてしまえば、今後、あらゆる造反も罰することができなくなってしまう。“麻生副総裁だってやってるじゃないか”と言われれば反論できませんからね。組織の重鎮として、いかがなものかと思いますよ」 先の政治記者が察する。 「もう82歳と高齢の麻生氏は、次の選挙で息子の将豊(まさひろ)氏に選挙区を譲るのでは、と目されていますが、彼はまだ38歳と若く、麻生氏の権力を譲るには早すぎる。雑巾掛けからのスタートとなるでしょう。といって、派閥内にも有力者が見当たらず、麻生派は空中分解の危機と言われています。そんな中、永田町では薗浦氏を庇い、地元の選挙で我儘を通すその姿は、先が見えないことへの焦りに見えて仕方ありません」
デイリー新潮編集部