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薗浦事務所、裏金で「給与」支払いか 元政策秘書ら2人も略式起訴へ
薗浦(そのうら)健太郎元衆院議員(50)=千葉5区、21日に議員辞職=の関連政治団体が、複数の政治資金パーティーで得た収入を政治資金収支報告書に過少に記載した疑惑で、薗浦元議員の事務所が除外した収入で捻出した裏金の一部を元政策秘書に「給与」の形で支払った疑いがあることが関係者への取材で判明した。元政策秘書と事務所は既に雇用関係がなかったが、元議員が知らないところで支出されていたという。
東京地検特捜部は近く元議員を政治資金規正法違反で略式起訴する方針を固めているが、元政策秘書も不正会計に関与した疑いがあるとして、政治団体の会計責任者だった公設第1秘書とともに同法違反で略式起訴するとみられる。
薗浦元議員が代表を務める資金管理団体「新時代政経研究会」などの政治団体の収支報告書では、2017~21年分の収入を少なくとも4000万円過少に記載した疑いがある。元議員の事務所は、記載せずに除外した収入の一部を任意団体に移すなどして裏金とし、公にしたくない支出に充てていたとされる。
関係者によると、元政策秘書は薗浦元議員が初当選した05年に政策秘書となり、事務所の会計事務を担った。元議員が09年の選挙で落選したことで政策秘書を外れてその後退職。公設第1秘書は元政策秘書から政治資金の一部を裏金に回す手法を引き継いだとされる。特捜部の捜査開始後、元議員が公設第1秘書に経理の実態を確認したところ、給与名目で元政策秘書に裏金の一部を渡したことを認めたという。
裏金は他に薗浦元議員の飲食費や交際費にも充てられていたが、元議員は周囲に「何にいくら使われたのか私は把握していない。秘書が適正に処理すると思っていた」と説明しているという。一方で、収支報告書への不記載については秘書との共謀が否定できないとし、21日に特捜部の略式起訴方針に同意した。
元政策秘書は14日の取材に「何もコメントできない」と答えた。
【二村祐士朗、井口慎太郎、松尾知典、島袋太輔】