ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

経費でコンパニオンと混浴44回、漫画も購入 元中小企業庁長官の「1100万円使い込み」報告書に集まる驚き

 

 

1998年、中小企業庁長官に就任した当時の鴇田勝彦氏(写真・共同通信)

 

 12月15日、LPガス事業などを手がけるTOKAIホールディングス(本社・静岡市)前社長による不適切な経費の使用について、社外有識者らの特別調査委員会がまとめた報告書が公表された。

 

  鴇田(ときた)勝彦取締役は2022年9月、交際費の使い込みを理由に、社長職を解任された。鴇田氏は1968年4月に通商産業省(現・経済産業省)に入省し、京都府副知事などを歴任。1998年には、中小企業庁長官に就任した元官僚だ。2005年にザ・トーカイの社長、2011年にはTOKAIホールディングスの設立とともに社長に就任し、以後、11年5カ月にわたり社長の地位にあった。

 

  報告書は、2016年4月からの約6年間に、業務との関連に疑いがある会食や宿泊などで、少なくとも253件、計約1110万5000円の支出があったと指摘。こうした支出の多くについて、事実と異なる申告をしていたと認定した。

 

  長野県内の社有施設では、鴇田氏は女性出張コンパニオンを手配。取引先などとの利用が44回あり、前社長らが「おおむね毎回、露天風呂で混浴を実施していた」と指摘した。女性は湯あみを着用していたが、会社の信用リスクにつながる恐れがあり、「取引先からの指摘がありながら、混浴が継続されたのは遺憾」とした。 

 

 182枚に及ぶ報告書では、鴇田氏の行動が詳細に裏づけ調査されている。以下、いくつか列挙してみよう。 ・2021年度の役員賞与では、他の役員が0円から2000万円という金額であるなか、鴇田氏は1億2000万円を受け取っていた。役員のなかでは、鴇田氏が役員の人事権、及び報酬の決定権を独占的に有していると認識していた。 ・鴇田氏は2018年に定年の予定だったが、期限を定めずに役員定年制度自体を不適用とした。 ・混浴は、女性出張コンパニオンのクレームや取引先の指摘を受けてもなお、継続されていた。 ・情報収集のために、電子書籍リーダーKindleを利用し、電子書籍を購入。その大半は漫画本であり、『黄昏流星群』21 巻分、『鬼滅の刃』19 巻分、『ザ・ファブル』15 巻分、『浮浪雲(はぐれぐも)』16 巻分、『ピンクのカーテン』6巻分などを購読。趣味として購読していた可能性がうかがえるが、業務関連性を完全に否定することはできないものと認めた。

 

 ・女性を同泊者とされるホテル宿泊が33件あり、私的な関係にあることが強く疑われ、その宿泊についての業務関連性に疑義が生じている。

 

  件数が多く、裏づけ調査の対象を絞ったとされており、使い込み額はもっと増える可能性もある。  12月16日には『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(TBS系)でもこの問題が取り上げられ、元経産官僚で政策アナリストの石川和男氏は、こうコメントした。

 

 「中小企業庁長官は、本省の局長より上で、大幹部なわけです。世の中に対しては襟を正すというか、謙虚になるというか、稲穂のように頭(こうべ)を垂れれば尊敬されると思うのですが、鴇田さんの場合は逆を行ってしまった。ものすごく残念ですね」 

 

 182枚に及ぶ調査報告書は、ネット上でも公開されたため、SNSではその詳細な報告内容が話題となり、鴇田氏の行動に驚き、疑問視する声が相次いだ。 

 

《報告書が凄い。年間2億円の報酬、年間200回以上の会食、保養所名目で購入したヴィアにコンパニオン呼んで混浴させるのが常態化》

 

 《マンガの購入費とかHuluの利用料まで会社に持たせてのセコすぎないか?》

 

 《混浴って言葉久しぶりに聞いた。しかも繰り返してたって》 

 

《満喫しすぎでは》

 

  調査に対し、鴇田氏は「取締役会では透明性の高い手続きのもと、私からも適切に弁明の機会を与えられるべきだった」として、解職に至った経緯に問題があったと主張。現在も取締役にとどまっている。 

 

 コンパニオンとの混浴が公に指摘されてもなお、会社に居座る肝の太さは、官僚時代に養われたのだろうか。

 

 

1千万円超の流用に混浴…TOKAIの「モノ言えない風土」を問題視


調査報告書の受領について会見で説明するTOKAIホールディングスの小栗勝男社長=2022年12月14日、静岡市葵区、大平要撮影

 

 交際費の不適切な使い込みがあったとして、TOKAIホールディングスの鴇田(ときた)勝彦前社長(77)が解職された問題で、詳細な内容が15日に公表された外部有識者による特別調査委員会の報告書で明らかになった。報告書には長期にわたり社長を務めた鴇田氏に「モノを言えない」風土を問題視する指摘もあった。

 報告書は、2016年度以降の鴇田氏による交際費などの支出を調べ、業務との関係が疑われるものが少なくとも1千万円以上あると指摘した。また、社内施設で取引先を招いた際に、繰り返し女性出張コンパニオンと混浴を行うなど、会社の「信用」に関わる意識の低さも問題視した。

 同社の前身であるザ・トーカイでは、鴇田氏の前任者が約30年以上にわたってトップに君臨。「同社の役職員の間には、社長は絶対的な存在であり、社長の指示には従うべきである」「社長の意向を組んで行動すべきである」という意識が浸透していると指摘した。

 社内規定では社長格の役員の定年は「就任から6年かつ70歳」だが、鴇田氏は取締役会で定年の延長を繰り返した。「退任時期を自ら決定できるようになっていた」という。

 鴇田氏は調査委員会に提出した書面で「すべて業務に関連するものであって、公私混同して経費を使用したことはないと認識している」などと反論。現在も取締役にとどまっている

 鴇田氏の後任となった小栗勝男社長は、調査報告書の受領後に開いた14日の決算会見で、「次の会社方針では、ガバナンス(企業統治)やコンプライアンス(法令や社会規範の順守)を第1にあげていく」と述べた。(大平要)

 

■調査報告書が指摘した主な内…