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齋藤法相「インボイス延期」を主張するもわずか2日後に変節…「意見表明」との釈明に「信用ならない」との声

写真:AP/アフロ

 

 11月28日、衆院予算委員会で、インボイス制度をめぐる質疑がおこなわれた。これまで、売上1000万円以下の事業者は消費税を納めなくてよかったが、2023年10月から納税の必要が出てくる。その際に求められるのが、適正な消費税額を示すインボイス(適格請求書)だ。  インボイス制度については、声優、アニメ、演劇、漫画の4団体のほか、出版・映像などのクリエイター、エンタメ・文化団体などから、「事業の継続ができなくなる」と反対声明が上がっている。  導入に反対する日本共産党の田村貴昭衆院議員は、「クリエイターたちの未来の可能性を奪わないでいただきたい。インボイス導入、ここは立ち止まって廃止、中止すべきじゃないですか」としたうえで、岸田文雄首相にこう問いただす。 

 

「総理にお伺いします。閣内からも異論が出ているのじゃないですか?

 

 この間、就任したばかりの齋藤健法務大臣は、自身のホームページで《インボイス制度導入を延期すべし!!》と主張されています。 《多くの中小・零細企業が、死ぬか生きるかの瀬戸際にあるようなときに、事務負担を大幅に増大させたり、取引実態に混乱を与えかねないようなことを、今、やりますか》と指摘されています。党内でも閣内でも意見が一致していないものを国民に押し付けるのですか?」 

 

 岸田首相に対する質問だったが、齋藤法務大臣が立ち上がり、こう答えた。

 

 「私のホームページについて言及がありましたので、一言、補足させていただきますが、就任前のイチ国会議員としての意見を表明したまででございます

 

  田村氏が「就任前といっても、11月9日、就任の2日前じゃないですか。総理、答えてください」と改めて問いただすと、岸田首相はこう答えた。 「大臣就任前にさまざまな議論がおこなわれる。これは当然、あっていいことだと思います。議論はおこなっていただきたいと思いますが、政府の一員となった以上、一体感をもって政策を推進していただきたい」  

 

齋藤氏が、「イチ国会議員として意見を表明したまで」と自論を封印したことに、SNSでは批判的な声があがっている。

 

 《閣僚にさえなったら自身の決意なんて簡単に捨てられちゃうのかよ》 

 

《「自分は信用できない人間でーす」て堂々と発表してる、残念な人》 

 

《自民党ってこんな奴ばかり ほんと信用ならないよな》 

 

 政治担当記者がこう話す。 「自論を封印した例でいえば、2015年、第3次安倍改造内閣で行革担当相として初入閣した河野太郎氏が話題となりました。自民党有数の脱原発派として知られた河野氏ですが、入閣が決まると、『原発再稼働は無責任』と主張したブログの記事を削除

 大臣就任記者会見では、『(安倍首相と)ベクトルとしては同じ方向を向いている』

『決まったことについては、それを誠実に実行する』と述べ、変節を批判されたのです」

 

  齋藤氏のサイトには、「インボイス導入延期」の主張がいまも残っている。

河野氏のように消去しないのは評価できるとも言えるが、インボイス反対派からは「裏切り」にしか見えないだろう。