ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

北海道新聞

地方議員の3割「女性議員は男性より不利」 北海道内28市町調査 「家事との両立」「周囲の理解」が壁に

 

女性議員が不利だと思う理由や事柄

 

 道内の政治、行政学者らでつくる北海道地方自治研究所(理事長・佐藤克広北海学園大教授)が道内28市町の地方議員に「女性の政治参加」についてアンケートを行ったところ、議会での待遇は男女の公平性が保たれているとの答えが9割に上った一方、議員活動と家庭との両立の大変さなどを理由に「女性議員は男性より不利と思う」との回答が3割あった。社会的な障壁が残り、女性が議会に参画しづらい現状が浮き彫りになった。

 

 政令指定都市の札幌市のほか15市と12町の議会議員全488人を対象に7月に実施し、342人から回答を得た。回答者の76%が男性、24%が女性だった。

 

  総務省の昨年末時点の調査によると、道内市町村議会の女性議員の比率は13・8%。女性議員ゼロの議会の割合は29・1%と全国で5番目に高かった。アンケートでは「女性議員が少ない」との答えが56・7%、「女性議員を増やすべきだ」は69%に上った。理由を複数回答で聞くと「政策が多様化する」(51・7%)、「議会が多様化・活性化する」(49・6%)などが多かった。

 

  男女差別の有無を調べた質問では「議会内の役職は男女公平に取り扱われている」が95%、「議案の提出や質問は男女公平に取り扱われている」が99・4%など、議会での待遇を問題視する声は少なかった。

 

  一方で「女性議員は男性議員より不利だと思う」との回答は32・5%あり、女性議員の約6割、男性議員の約2割がこう答えた。不利だと思う理由は「家庭や家事との両立」(79・3%)、「立候補や議会活動について家族や周囲の人々の理解を得ること」(69・4%)、「有権者や職員等からの各種ハラスメントや差別の存在」(51・4%)などが挙げられた。