高市氏と県議は2人揃って記者会見すべきです。

 

 この際、はっきりさせましょう!

 

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2022年10月7日 15時55分東京新聞

高市早苗氏「国葬反対の8割は隣の大陸から」発言を否定 三重県議はTwitter投稿を撤回

 高市早苗経済安全保障担当相は7日の閣議後記者会見で、安倍晋三元首相の国葬に関し、三重県議が「反対のSNS(交流サイト)発信の8割が隣の大陸からだったという分析が出ている」と高市氏の講演を基に投稿したことについて「(そうした発言は)ないです」と否定した。

 三重県の小林貴虎県議は、2日に名古屋市内であった非公開の講演内容を記したメモを基にツイッターに投稿した。6日に内容に「誤りがあった」と撤回している。

 

問題となった小林貴虎県議のTwitter投稿。現在はアカウントが非公開となっている

 高市氏は記者会見の冒頭では、講演が非公開だったとした上で「選挙を控えられた(地元の)自民党の議員さんに傷がつくこともあるかと思い発言を差し控える」と説明。ただ会見の終了間際になって、記者の質問に対し、講演での発言を否定した。

 

 小林氏は、高市氏が政府調査に基づく内容として講演で語ったと明かしていたが、これについては「そのような調査をする法律はない」と否定した。一方で「偽情報はロシアのウクライナ侵攻の状況から見ても、可能性のあることだと思う」と指摘した。(共同)

 

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■10/8(土) 8:00AERA.ドット

高市氏の「8割大陸」発言の真相 本人は否定でも出席議員からは「リップサービスだと思った」〈dot.〉

「日本会議東海地方議員連盟設立総会」で講演した高市早苗大臣。名張市議Facebookより

 

 高市早苗経済安全保障担当相が会合の場で、「国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだった」と発言した、しないをめぐる問題。高市氏は否定し、最初にSNSに発信した県議もその後、「撤回」するという展開に。では、あの発信はなんだったのか。真相を確かめるべく、会合に参加した複数の議員に話を聞くと、新たな証言が出てきた。

 

  【式次第入手】高市大臣の問題発言があったとされる会合の中身とは?

 

*  *  * 

 

 ことの発端は10月2日に投稿された三重県の小林貴虎県議のツイートだった。

 

 <国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだったという分析が出ているという。今日の講演で伺った話。ソースは以前三重の政治大学院でもご講演頂いた事のある現職>

 

  この発言に対して、<何を根拠に言っているのか>、<差別的な発言>などと批判が噴出。

 

SNS上で“炎上”した。

 

そして、4日に小林県議は<皆さん非常に関心が高い様なのでお答えすることにしました>とツイートしたうえで、こう打ち明けた。

 

 <私が総理大臣になって頂きたいと強く願っている高市早苗先生が、政府の調査結果としてお伝えいただいた内容です> <ウクライナ戦争で明らかになった様に情報戦争の時代です。我が国も安全保障上取り組むべき課題だと言うお話でした>

 

  インターネット空間における安全保障は重要な政策課題の一つ。

激しい賛否を巻き起こした安倍元首相の国葬について、国内の世論が海外から“操作”されていたとなれば深刻な問題である。SNS上には高市氏に説明を求める声が多数あがった。

 

  そうした動きを受け、高市氏は4日、自身のツイッターでこう反応した。

 

 <腕の耐え難い痛みでMRI検査を受けている間に、不正確な情報が。日本には情報操作(偽情報)対策の法律が無いので、政府が調査をすることは出来ません。海外機関による調査情報の収集は可能ですが。国防上の懸念もあり、法整備検討の必要性は3年前に党から提案しました。>

 

  その後、事態が急展開する。

 

 

 5日、小林県議が委員長を務める県議会の委員会では、委員からツイートした内容について説明するよう求められ、委員会は紛糾。その後、4時間以上、議事が止まり、小林県議は委員長を辞任した。  翌6日に小林県議は記者会見を開き、「『政府の調査結果に基づいて』と説明いたしましたが、誤りでした」「訂正したいと思います」と発言。最終的には「撤回」した。ただ、正しい内容については「クローズド(非公開)の会だったので具体的な話はできない」などとして明かさなかった。  そして7日には高市氏が記者会見で「(会合は)非公開とされている。私の講演の内容をお話しすることはない」としたが、<8割が大陸から>の発言については「そのような発言をすることはない」、「そもそも大陸という言葉は使わない」などと否定した。  話の内容は言えないが、8割発言はなかった――。  では、実際はどういう発言だったのかを確認すべく、当日の会合に参加した複数の議員らに話を聞いた。  まず、高市氏が発言したのは、名古屋駅前にある会議場で開かれた「日本会議東海地方議員連盟設立総会」の場だった。  総会の式次第を見ると、「安倍元首相への黙とう」「国歌斉唱および国旗儀礼」から始まり、「開会あいさつ」「来賓あいさつ」「議長選出」「議事」「閉会のあいさつ」と続く。そして、第二部の「記念講演」として「高市早苗(衆議院議員・経済安全保障担当大臣)」と書かれていた。講演の題目は「日本の針路について」。  参加者らの話をまとめると、180人近く入る会場に、日本会議と関係のある議員や会員約150人が集まった。会場の演台の横には、安倍元首相の写真が置かれ、会場の前3列に地方議員が座っていたという。  総会の司会を務め、一部始終を見ていたという愛知県議はこう説明する。 「私は高市大臣に『本日の演題は日本の針路とさせてもらっていますが、思うところをお話しください』と話を向けました。経済安保の話を主にしていました。忙しかったため断片的な記憶しかないんですが、問題になっている発言は記憶にはないですね」

 

 

「記憶にない」という参加者はほかにも多くいた。 「経済政策など大きな話をしており、私もそちらに神経を集中させていた。国葬に関する発言は記憶にありません」(長野県議)、「記憶がはっきりしない、自分も怠惰になっているので」(名古屋市議)、「そのような発言をしていた記憶はない」(岐阜市議)  たまたま席を外していたという議員も。 「ちょうどのそのときに電話で席を外していて聞いていない」(小牧市議)、「席を外していた」(清須市議)。日本会議愛知県本部事務局長は「会場の外におり、講演は聞いていない」と話した。  8割発言があったかどうかの前に、国葬に関して話したかすらはっきりしない。  否定も肯定もしない議員もいた。 「そもそもオフレコの会合だった。その発言があったかどうかについてコメントするようなものではない」(一宮市議)、「何も話すことはない」(各務原市議)  一方で、こんな発言も。 「『隣の大陸から』ではなくて、『部外者が多い』と言っていた」(三重県議)。ただ、その後、「オフレコの会合での発言内容なので回答はしない」と改めた。  なんとも歯切れの悪い答えが続いた。 

 

 そんななか、ある市議が、「(高市発言は)ニュアンスが違う」と指摘し、講演の様子を詳細に答えた。 

 

 この市議によると、高市氏は「大臣としての立場ではなく、個人の立場として話す」と冒頭に発言し、話し始めた。内容は経済安保について。講演は50分程度だったが、国葬についての発言が最後にあった。時間にして1分もないくらいだったという。

 

  この市議は問題となっている発言についてこう振り返る。

 

 「高市大臣は『国葬に反対の人も多かったと思うが、弔問に来られた方は本当に多かった』と振り返っていました。安倍元首相の写真も演台の横に置かれており、思うところがあったのだと思います。そこで『国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸の人かなと思っている』といった発言をしました」

 

 

多くの出席者が「記憶にない」というなか、この議員ははっきりとそう話した。 

 

 そして、こう続けた。

 

 「『8割が隣の大陸から』というのは、政府の調査とかではなく、個人的な感想を述べているニュアンスでした。ただ、8割というのは大げさに話しているんだなと感じましたね。参加者へのリップサービスだったのでしょう」

 

  前述のように、高市氏は会見で「そのような発言はない」と述べており、市議の話と食い違う。高市氏の事務所に、発言内容などについて改めて確認しようと質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。

 

  今回の騒動について、専門家はどう見るか。

 

  政治ジャーナリストの角谷浩一氏は、1986年に当時の藤尾正行文部相の「韓国併合は韓国にも責任がある」とした論考が『文藝春秋』に掲載された時のことを思い浮かべたという。  これについては韓国から激しい反発が起こり、中曽根康弘首相(当時)が藤尾氏に辞任を求めたが、藤尾氏は自分の信念だとして辞任せず、中曽根首相が藤尾氏を罷免(ひめん)した。 

 

 角谷氏は今回の高市氏の問題について、実際に「8割が隣の大陸から」と発言していたとしたら、と前置きした上で、 「非公開の場だったとしても、根拠もなく発言していたのなら総裁候補にもなる人物の発言としては軽すぎます。『隣の大陸』の受け止め次第では大問題になるような発言で、これについて首相も官房長官も外務大臣も、確認もしないという態度は疑問です。

 

また、当日の講演を聞いて誤解している人が何人もいるのであれば、どういう発言をしたのか、高市氏本人がしっかりと説明するべきです」

 

 (AERA dot.編集部・吉崎洋夫)