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山際大志郎大臣に再び大臣規範違反が発覚 ペット関連企業株を報告せず

山際大志郎大臣 

 

 山際大志郎経済再生相(54)が、ペット関連企業の保有株式を昨年発表した閣僚の資産公開資料に記載せず、大臣規範に違反していることが「週刊文春」の取材でわかった。

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 山際氏は神奈川18区選出で当選6回。

 

岸田政権で初入閣を果たし、今年8月の内閣改造で留任したものの、統一教会(現世界平和統一家庭連合)との関係が次々と発覚している。

 

 「留任直後に、ネパールで開催された関連団体の会合に出席したことなどを明らかにし、“後出しじゃんけん”と報じられた。

加えて、自民党の点検結果の公表後にも、追加で2018年に教団が主催したイベントに出席していたことや、2011年にナイジェリアで関連団体が主催した国際会議を傍聴していたことなどを認めています」(政治部デスク) 

 

 さらに、山際氏を巡っては、不動産関連会社「21世紀株式会社」(160株)と、動物病院を運営する「有限会社オルカ」(3000株)の保有株式について、閣僚の資産公開資料に記載していなかったことが発覚し、訂正している。 

 

 今回、新たに資産公開資料に記載していなかったことが判明したのは、「オルカ」と同様に、動物病院を運営する「有限会社くじら」の保有株式30株だ。 

 

「山際氏は山口大学獣医学部を卒業後、東京大学大学院で獣医学の博士号を取得。

獣医師として、2000年に川崎市でペットクリニックを開業しました。

 

学生時代は鯨の研究をしており、“鯨博士”の異名も持ちます」(同前) 

 

  法人登記簿によれば、横浜市に本店を置く「くじら」は2002年1月に設立。

 

山際氏の知人獣医師が代表取締役、山際氏は取締役に名を連ねた。

その後、山際氏は政界に進出し、2003年の衆院選で初当選。

 

2009年の衆院選での落選を経て、2012年12月16日の衆院選で国政に復帰。

2012年12月26日、第2次安倍政権で内閣府政務官に就任し、翌27日に「くじら」の取締役を辞任している。

 

  地元関係者が証言する。

 「『オルカ』が川崎市のペットクリニック、『くじら』が横浜市の別のペットクリニックを運営している形でした。

山際氏は取締役を退いて以降も、株式を保有しています。

ところが、閣僚の資産公開資料には記載していません」 「くじら」は以下のように回答した。

 

くじらと山際氏の回答は?

――山際氏は現在も株式を保有しているか? 

 

「保有しています」 

 

――くじら設立時に山際氏が関わった経緯について。 

 

「山際氏は大学時代の先輩です。

山際氏はすでに友人と共同で動物病院を開業しており、動物病院の立ち上げにあたり、経験者である山際氏と一緒にやれたら心強いと考えて、 参画してもらいました。

退職は本人からの申し出です」 

 

 山際氏は以下のように回答した。

 

 「2012年大臣政務官就任に際し、 兼業禁止規定に従い会社関係の整理を行い、ご指摘の会社の役職を退任しました。

 

 退任と同時に株式に関しても整理されているとの認識でしたが、今回ご指摘で確認したところ、同社の株式 30株を保有したままとなっていました。

 

 ただし、退任以降、金銭の授受は一切ありません」  山際氏を巡っては、統一教会との関係性を巡って党の点検への“申告漏れ”が相次ぐほか、保有株式についても資産公開資料の訂正が続いている。

 

大臣規範はリクルート事件の反省を機に、未公開株であっても不正取引が行われないよう報告を義務付けた閣僚同士の申し合わせだ。

 

新たに発覚した保有株式の記載漏れについてどのように対応するのか、注目される。 

 

 10月5日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および10月6日(木)発売の「週刊文春」では、山際氏の保有株式を巡る更なる疑惑のほか、細田博之議長が名誉会長を務めた統一教会関連の議員連盟を巡る重要証言などについて報じる。

 

「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年9月22日号