9月27日「東京新聞」朝刊「本音のコラム」より

 

今日の「国葬」反対デモ     鎌田 慧(ルポライター)

 「故人に対する弔意と敬意を国全体として表す儀式」というのが、岸田首相の「国葬」の位置づけだ。
 が、「弔意と敬意」を持っていないひとに対して、閣議決定で「弔意と敬意」を押しつけられるのは認められない。
 それがわたしの心の叫びだ。
 好き、嫌い。もっとも基本的な人権としての価値判断を、一方的に閣議決定で強制する。それを認めたら戦争も閣議決定で決められる
議会制民主主義の崩壊である。

 襲撃事件のあと、いまごろになって、旧統一教会との関係を打ち切れ、と党員たちに指示するのは、岸信介元首相以来、 親子三代にわたる「広告塔」安倍家の存在と政治行動の否定そのものだ。
 統一教会が、莫大な寄付を要求して信者の家庭生活や二世たちの人生を破壊した反社会的な存在だとしたなら、その勢力の全面的な協力によって議会多数を占めた自民党は巨大な悪の集団と手を結んでいたことになる。

 「アンダーコントロー ル」の巨大な嘘に加え、国会での118回におよぶ嘘答弁は、長期政権の驕りによる議会軽視だった。さらに閣議決定だけで、戦前回帰を思わせる国税浪費の「国葬」。
 今日、午後零時半。日比谷公園南側「中幸門」で反対集会。落合恵子、佐高信、松元ヒロ、鎌田が挨拶。1時、抗議デモ出発。西銀座通過、東京駅付近まで。ほかに2時から国会前集会もあります。