最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は8日付で、会社側の上告を棄却する決定を出した。132万円の賠償と文書の配布差し止めを命じた2審判決が確定した。

 

 裁判官5人全員一致の意見。

 

 1、2審判決によると、女性は2002年からパート社員として勤務。フジ住宅は13年以降、正しい歴史認識を広めるためとして、従軍慰安婦の歴史認識などに関し中国や韓国の出身者を「うそつき」などと侮辱する内容が書かれた雑誌記事などを職場で繰り返し配った。

 2審・大阪高裁判決は21年11月、継続的かつ大量の文書配布は差別的言動の温床を生むが、同社は差別的思想が醸成されないような環境作りに配慮することを怠ったとして賠償金を132万円に増額した。1審判決後も文書配布が続いたことから、女性は2審で文書配布の差し止めも求め高裁は「職場での差別を助長し、会社側が得られる正当な利益も想定しがたい」として差し止め請求を認めた

 

 

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2022/9/9 毎日新聞 

職場でヘイト文書配布 フジ住宅への賠償命令確定 最高裁が上告棄却

 ヘイトスピーチ(憎悪表現)を含む文書を職場で繰り返し配布され、精神的苦痛を受けたとして、東証プライム上場の不動産会社「フジ住宅」(大阪府岸和田市)に勤める在日韓国人の女性が、同社と会長に計3300万円の損害賠償などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は8日付で、会社側の上告を棄却する決定を出した。132万円の賠償と文書の配布差し止めを命じた2審判決が確定した…