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「お荷物」になったマンションの機械式駐車場、この先どうすれば?

 

 
機械式駐車場の平面化工事。駐車場の機械を解体・撤去した上で、地下のピット内に鉄骨の柱と梁(はり)を組み立て、その上に鋼製の板を載せて平面化する=剛力建設提供

 

 「空きが出ている機械式立体駐車場が、お荷物になっています」

 

 東京都の多摩地区にあるマンション。管理組合で役員を務める60代半ばの男性は、そうぼやく。

 

 築25年、約400世帯が暮らす。敷地内には高さ40メートルの駐車場タワーが2棟あり、各タワーには42台を止められる機械式の立体駐車場が3基入っている。

分譲当初250台満車→現在110台

 分譲当初、約250台分の駐車場はほぼ満車だった。しかし、次第に空きが目立つようになった。契約者の減少に伴い、2010年に1基、16年にも1基を停止。現在稼働しているのは4基で、実際に利用しているのは計110台あまりにとどまる。

 「最近は、若い世代を中心に車を所有しない人が多い。高齢になって車を手放す住民もいるのだろう」と男性は話す。

 

 構造上、車高が高い車を入庫できないことも、空きが増えた理由だという。マンションには、車高制限がない平置きの駐車場も5台分だけあるが、そこは10人以上の住民が空きを待つ人気ぶりだ。

 

 ここの機械式立体駐車場は1基につき保守点検の費用が年間80万円程度かかっている。節約のため、管理組合はさらに1基を止めることを検討している。

 

 一方、長期修繕計画では、毎年の保守点検費用とは別に、部品の交換や機械の更新のため、今後30年間で計4億5千万円を計上している。

 

 利用する人が減ったことで駐車場の収入も減っている。さらに空きが増えれば、将来の修繕計画にも影響が出る恐れがある・・・