いやな感じ
「国葬」を受け入れられないのは理不尽を痛覚するからだ
鎌田 慧(ルポライター)
岸田内閣の支持率は36%と急落、不支持率は54%と急増。(毎
と社会調査研究センター、8月20、21日の調査結果)。
新型コロナの新規感染者は1日当たり20万人を超え、医療崩壊が
その一方、仕切り直しの内閣改造で、旧統一教会との汚染大臣を外
たはずなのに出るわ出るわ、反社会的宗教への依存の実態。
これらの報道に対し、旧統一教会本拠地のソウルで18日、「宗教
弾圧」反対集会が開かれ、安倍氏に黙祷が捧げられた。
祖父の代からの「広告塔」としての安倍氏を悼んでいるのだが、い
反対運動が急速に拡大しているにもかかわらず、岸田内閣が「国葬
強行するのは旧統一教会の追悼とどこが違うのだろうか。
わたしが「国葬」を受け入れられないのは、やや大袈裟になるが、
魂をわしづかみにされて引きずり回されるような、理不尽を痛覚す
からだ。
「いやな感じ」なのだ。
汚染された内閣や党幹部を不問にして国民を統合する宗教的行事を
実行する。
人間を無視する暴政。
国葬実行で人気を取ろうとしても、さらに不支持率を急増させる
だけだ。
27日(土)午後5時。新宿駅地上西口で、二度目の「国葬」反対
集会を開催します。発言者は田中優子(前法政大学総長)、松元
ヒロ(芸人)、古今亭菊千代(落語家)、落合恵子(作家)、佐高
(評論家)、鎌田など。
(8月23日「東京新聞」朝刊21面「本音のコラム」より)