おいしいブラックな政治家稼業
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日刊ゲンダイ
葉梨法相は元警察官僚で法務行政に精通も…委員長時代に「2度」やらかしの過去
旧統一教会関連企業の月刊誌インタビューを受けていた葉梨康弘法相(C)共同通信社
【岸田“目くらまし改造内閣”の大臣を丸裸】#7
葉梨康弘法相(茨城・衆院6回・62歳)
【写真】岸田新内閣で注目は葉梨法務大臣 地検特捜部と国税の連携で旧統一教会を捜査する可能性
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待望の初入閣。岸田派の待機組だ。就任直後に自身の公式ホームページにこう記した。
<岸田総理からは、法務副大臣2期、法務委員長2期さらには法務委員会与党筆頭理事2期の経験をいかし、エキスパートとして難局に当たって欲しいとの指示があった>
元警察官僚で法務行政に精通している、というのが最大の起用理由だ。さっそく、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)について、自らの主宰で関係省庁連絡会議を設置、“エキスパート感”を見せようとしたが、統一教会の関連企業が発行する月刊誌に、インタビュー記事が掲載された過去があったことが判明した。就任後の初会見では「旧統一教会、団体等々と関係を持つような認識はありませんので、調査するまでもないということです」と豪語していたからバツが悪い。
実は、法務委員長の際も「2度」やらかしている。2018年には、外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法改正案の拙速審議で、野党から委員長解任決議案を突き付けられた。
19年には、野党議員の質疑中に不規則発言をして、謝罪・撤回させられた。東日本大震災の復興予算に茨城県内の法務省施設整備費が含まれていることを山下法相(当時)が問われた際、なぜか葉梨氏が割り込み、「茨城県も被災県だ。水戸の法務総合庁舎は地震で全壊した」と持論を展開。「職務逸脱の妨害行為だ」と野党が猛反発した。
■入り婿3世 東京教育大付属駒場高校(現・筑波大付属駒場高校)から東大法を経て、警察庁入庁。1999年に退官し、2003年初当選。
葉梨信行・元自治相の娘と結婚し、義祖父・葉梨新五郎氏からの地盤を継承。旧姓は渡辺。
■カツラ疑惑に反論
森友学園の籠池前理事長の証人喚問に“尋問のプロ”として登場。嫌みったらしい質問ぶり以上に、世間は髪形に注目した。“カツラ疑惑”が浮上すると、公式HPに風呂上がりの頭髪写真を“証拠”として公開。しかし、地元支持者から「子供じみている」と批判を受け、即刻削除した。
法務委員長ながら不規則発言までして選挙区・茨城への“愛情”を見せたのかと思いきや、地元の評判はイマイチ。 「エリートらしく上から目線で、味もそっけもない人。地元に交わろうとしないので、自民県連で話題にすらのぼらない」(茨城政界関係者)
選挙区から常磐線で永田町へ通うほど地元密着だった義父・信行との比較で冷ややかな視線が向けられている。岸田派でも存在感は薄く、「独自路線を突き進んでいる」(派閥関係者)と評される。