岸田自公政治のコロナ無策のしわ寄せ、第一線で【災害に匹敵】

 

 「社会との温度差」 

 コロナ災害を抑えるためには、最前線で患者と接している看護師の声こそ聴かなければならないにもかかわらず、完全に無視し、やってはいけない観光促進によって、守るべき看護師を徹底的に犠牲にし、コロナ第7波を拡散し犠牲者を急拡大している

 

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第7波「 災害に匹敵」病院が悲鳴 看護師次々に陽性 、人繰り困難で続く激務 経済との両立に動く社会と「温度差」

 

集団感染が起きた病棟で業務に当たる看護師=松江市母衣町、松江赤十字病院(同病院提供)

 新型コロナウイルスの流行「第7波」の急拡大で医療従事者の感染が相次ぐ中、松江赤十字病院(松江市母衣町)では7月中旬、一部の病棟で患者や職員のクラスター(感染者集団)が発生した。陽性者には看護師も多く、人繰りは困難を極めた。「災害時に匹敵する」との悲鳴が上がる中、それでも懸命に患者と向き合う現場を追った。 

 

 島根県内で1日の感染者が千人を超えた7月中旬。ある一般病棟で18日、風邪症状を訴えていた看護師らの陽性が次々に判明した。

 

  病棟は主に看護師42人、看護助手4人の計46人が在籍し、医師や薬剤師、リハビリを担当するスタッフらが少なくとも10人以上が出入りする。入院患者は18日時点で50人いた。 

 

 感染がどこまで広がっているのか。絶望感にさいなまれながら、病棟関係者100人以上がPCR検査を受けた。

 

  その日は入院患者12人、スタッフ7人の計19人の陽性を確認。その後も増え、最終的に患者22人、スタッフ18人の計40人に達した。 

 

▼異様な光景広がる

 

  スタッフの陽性者はほとんどが看護師で、在籍42人の約4割。病棟は新規入院の受け入れを停止し、入り口をブルーシートで覆う異様な光景が広がった。  看護師の勤務は1日当たり、日勤(午前8時20分~午後4時50分)10~12人、長日勤(午前8時20分~午後8時50分)と夜勤(午後8時20分~翌日午前8時50分)各5人の計20人程度は必要。現場を管理する看護師長(55)は「代われる人がいないので勤務調整も途中からできなくなった。災害時とほとんど一緒だった」と振り返る。

 

 陰性だった病棟看護師も濃厚接触者に当たる。

 

  人員が不足するため、最終接触から5日間は勤務前にPCR検査で陰性を確認し、業務に当たった。日勤は午前6時半、夜勤は午後3時にいったん病院に出てきて検査。激務が続く日々で、負担感は増した。

 

  それでも人員が足りず、他の病棟の力を借りた。当初は複数の病棟から時間単位で看護師をかき集めてしのいだ。感染させてしまったら他の病棟スタッフや患者にも影響が出てしまうだけに、一同が感謝と同時に心苦しい気持ちでいっぱいだったという。

 

 ▼ゾーニングで対応

 

  陽性の入院患者は、コロナ患者の専用病棟には移さず、病棟内で感染者とその他の活動領域を分ける「ゾーニング」で対応。接触を減らそうと陽性患者を担当する看護師を限ったため、業務の回しが思うようにいかない。感染防止のため、一人一人の患者にかかる時間も増える。普段業者がしている清掃は現場のスタッフが担った。肉体的な疲労はもちろん、精神がすり減っていったという。

 

 看護師は患者のたんの吸引や入浴介助など、密接に関わる場面が多い。病気によってはマスクを着けられない患者もいる。病室の窓は安全のため数センチしか開かず、換気も難しい。

 

  加納さえ子看護部長(59)は「陽性者を出さないのは大前提だが、ゼロにするのは難しい」と実感を込める。 

 

▼一般診療に影響

 

  院内では、集団感染の病棟以外でも散発的に陽性者が出ており、新規入院の受け入れ制限や緊急性の低い手術を延期するなど、一般診療に影響が出ている。

 

  病棟の集団感染は先日、収束した。一歩外に出ると、感染対策と経済活動の両立に向けて動く社会がある。看護師長は言う。「仕方ないことではあるが、どうしても社会との温度差を感じてしまう」