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旧統一教会トップと国会議員らがアメリカで面会…目的は?開示された名称変更の理由示した文書は黒塗り…政治家の関与は不明のまま

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旅費・宿泊費は誰が?旧統一教会トップらとアメリカで面会した国会議員らの写真を入手。出席者は「自分では費用を負担していない」と証言しました。一方、旧統一教会の名称変更が認められた際の決裁文書が開示されましたが肝心の変更理由は黒塗り。政治家の関与はあったのでしょうか。

 

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■旧統一教会幹部とアメリカで…国会議員らの目的は?

スーツ姿の男性たちが肩を並べた写真。2017年夏、アメリカ・ワシントンで撮影されたものです。 旧統一教会を長年、取材しているジャーナリストの鈴木エイト氏は・・・ 「日本の国会議員らを含む教団の幹部が一堂に会しているという写真です。武田良太議員の隣に立っているのが当時の徳野英治統一教会会長。隣が世界副会長」 総勢23人のうち、5人が旧統一教会側の幹部です。 中でも梶栗正義氏は旧統一教会系の政治団体、「国際勝共連合」の会長で、旧統一教会の関連団体のトップも務める人物。さらに、徳野英治氏は、教団の当時の会長です。 一緒に写る国会議員らは、かつて防衛庁長官を務めた大野功統氏を筆頭に、自民党の衆院議員5人と、野党の衆院議員1人、当時は全員が現職でした。元海上自衛隊指令官を務めた香田氏もいます。 武田良太衆院議員は、その後、安倍内閣で国家公安委員長となり、菅内閣では総務大臣を務めました。山本朋広衆院議員は、安倍政権で防衛副大臣を務めています。 山本議員は渡米する前の2017年5月、旧統一教会が主催したイベントに出席していました。 山本朋広元防衛副大臣 「本日は母の日ということで私も皆様より一足お先にマザームーンに先程カーネーションの花束をプレゼントさせていただきました」 韓鶴子総裁に花束を渡し、教団内で最大級の賛辞を意味する「マザームーン」という言葉を繰り返します。 山本朋広元防衛副大臣 「マザームーンはきょうお集まりの皆さまにとっての母でありますので花束が多少大きくて立派でも私の母は許してくれるのではないかと思っています」 さらに、自民党と教団の関係について、こんな表現で言及しました。 山本朋広元防衛副大臣 「本当に皆様には我々自民党に対して大変大きな力をいただいていることを改めて感謝申し上げたいと思います」 「おかげさまで安倍政権も5年目を迎えました。長期安定政権と評価をいただいているところであります。皆様には引き続き、我々に大きな力を賜りたいと思います」 この2か月後、山本議員は、アメリカで開かれた会議に参加したのです。 議員たちの後ろにあるロゴには、「ワシントン・タイムズ」の文字。 旧統一教会系のメディアです。会議に出席した関係者によると、ワシントンタイムズから誘いがあったといいます。 会議に出席した関係者 「『日米韓で世界平和について議論する場があるので来ないか?』と言われた」 旅費や宿泊費はどうしたのでしょうか?この関係者は、支払ったのが誰なのかは不明なものの、「自分では負担していない」と証言しました。 日本からワシントンまでの飛行機代は、ビジネスクラスで1人数十万円。 会議に出席した関係者 「アメリカでは招待した側が旅費を持つのは普通のことなので、推察だが招待した側が負担したと思う」 会議に衆院議員として参加した竹本氏は、同時期にYouTube上で、「アメリカ視察報告」と題し、こう紹介しています。 竹本直一衆院議員(当時) 「後ろを見て頂くとワシントンモニュメントがあります。ワシントンに来ております。こちらの政府関係者および韓国の政治の関係者と北朝鮮の核の問題について何とか防ぎようがないかという会談をするためにやって来ました。この暑い最中に北朝鮮は40発を超えるミサイルを打ち上げました」 news23が出席した議員らに、参加した目的などを取材したところ、現時点で、明確な回答は得られていません。 ワシントンでの会議のあと、ニューヨークでは、韓鶴子総裁も出席した教団の特別集会が開かれました。 旧統一教会韓鶴子総裁 「​一つの世界は必ず私たちの手で作ることができるのです」 教団側は、会議を終えた議員らがこのイベントにも参加したと伝えています。 ジャーナリスト鈴木エイト氏 「国会議員たちを韓鶴子総裁の前で挨拶させるということを教団側は目的としていたようです」

 

■「新しいチャレンジと聞いて」名称変更に政治家の関与は

次々と明らかになる政治家と旧統一教会の関係。27日も新たに… 相模原市 本村賢太郎市長 「今後そういった軽率な行動を慎んでいかないといけないと改めて思っております」 本村市長は衆院議員だった2018年、旧統一教会のイベントに参加していたことを明かしました。 参加理由については… 本村市長 「(旧統一教会の)名前が変わったという認識の中で、新たになんて言うか、過去の行為を反省している中で新しいチャレンジをしている様な話をいただいた中で、確か出席したんじゃないかなと思います」 旧統一教会は2015年にいまの団体名"世界平和統一家庭連合"に名称を変更しています。本村市長はこの名称変更を受けて参加したと説明したのです。 名称変更をめぐっては“政治家の関与”があったのではないか、そんな指摘があがっています。 1980年代以降、合同結婚式や霊感商法などが社会問題となっていた統一教会。97年、名称変更を求め、文化庁に相談がきたといいます。 当時、担当課長として対応に当たった元文科事務次官の前川喜平氏はnews23の取材にこう答えていました。 元文科事務次官前川喜平氏 「その時の我々の対応としては、受理できないと。実態が変わってないものに名称だけ変えるという規則変更は認められませんから受理しませんと。名称変更を認証してしまったら、文科省が社会的に批判されるだろうと」 教団の問題が解決していない中、“名称変更は認められない”と門前払いしたというのです。以後、18年間同じ状況が続きました。 ところが2015年、文化庁は一転して申請を受理した上で、名称変更を「認証」、つまり認めたのです。 宗教法人を所轄するのは文部科学大臣で当時の大臣は下村博文氏でした。 Q.旧統一教会の名称変更に関わったんではないかと報じられていますが事実確認をお願いします。 下村元文科大臣 「全く関わってません。最終決定者がこの名称変更については部長だということですね、部長の判断で名称変更については了承するということで」 下村氏は関与を否定しましたが、「認証」する前に担当者から事前報告があったと説明しています。 下村元文科大臣 「文化庁の担当者からそういう(名称変更の)書類が来たということを事前に報告ありました」 前川氏は担当者が事前報告する意味をこう指摘しています。 元文科事務次官前川喜平氏 「最初に報告を受けたときに指示している。それは指示を仰いだということですよ。“最初の報告”というのは」 「(旧統一教会の場合)前例は受理せず認証もせずという対応の仕方をしてきてるわけですから、役所は何の指示も与えられなければ前例を踏襲しますからね。だから、大臣の指示を仰いで大臣の指示があったとしか考えられないんですけどね」 当時、名称変更を決済した担当部長はnews23の取材に対してこう回答しました。 当時の文化庁・文化部長 「私が名称変更を決裁したことは間違いない。大臣報告の際に立ち会ったはずだが、詳しいことは記憶が曖昧なので答えられない。資料や個人的なメモなども手元にない」

 

 

■旧統一教会の名称変更 文化庁の文書 肝心な部分は“黒塗り”

共産党の宮本徹衆院議員は文化庁に対して当時の決裁文書の開示を求めました。 共産党 宮本徹衆院議員 「下村文科大臣のときに突然、名称変更が認められるということになった。そこには何らかの政治的な圧力があったんではないのかという疑惑がある」 26日、文化庁は資料を開示。しかし… 共産党 宮本徹衆院議員 「これが文化庁が決裁した文書。なぜ名称変更したのかという部分が真っ黒」 名称変更を認めた理由が書かれた「規則変更理由」がすべて黒塗りだったのです。それだけではありません。 共産党 宮本徹衆院議員 「こちら統一教会側が出した申請書になりますけれども、統一教会の側での議論も真っ黒で何一つ何を議論したのかもわからない」 旧統一教会が提出した「議事録」はすべて黒塗りで開示されたのです。 共産党 宮本徹衆院議員 「社会的なたくさんの問題を起こしてきて、統一教会は世間的には悪名が知れ渡っている。名称変更したら、新たな装いで、新たな被害が広がる可能性がある。(名称変更の)プロセスがですね、真っ黒で出てくるというのは、説明責任を果たすという点では大変問題がある」 なぜ肝心な部分が黒塗りなのか。文化庁は私たちの取材に対してこう説明しました。 文化庁 「公にすることにより当該法人の権利、競争上の地位、そのほか、正当な利益を害する恐れがある」 一方、旧統一教会は… 「文鮮明氏はかねてより『世界平和統一家庭連合』という名称を使用することを考えておられました。“世間の批判をかわすために”名称を変えたかのような批判は、事実無根の的外れな憶測、決めつけにすぎません」

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