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毎日新聞
ヨーロッパ各地に記録的熱波 スペインとポルトガルで死者300人超
猛暑の中、公園の噴水で涼をとるマドリード市民=スペイン・マドリードで2022年7月14日、ロイター
欧州各地を「熱波」が襲っている。英気象庁は15日、首都ロンドンなどで18~19日に英史上初の気温40度超を記録する可能性があるとして、緊急事態宣言を発令した。スペインなどでは死者も相次いでおり、警戒が続いている。
日本に比べ真夏でも比較的涼しい欧州では、十分な冷房設備がない家庭も多く、18~19日のロンドンは「健康な人でも命の危険がある」(英BBC放送)と報じられている。英国で観測された過去最高気温は38・7度で、これを更新する可能性があるという。
6月から猛暑が続くスペインでは、7月14日に南西部で気温45度を超えた。欧州メディアによると、スペインとポルトガルでは15日までに熱中症などで高齢者ら300人以上が死亡。スペインやフランス、ギリシャでは山火事も頻発している。
また、北極圏のノルウェー・バナクでは6月29日に32・5度を観測し、北極圏の6月の平均気温を20度近くも上回ったという。【ロンドン篠田航一】
時事通信
英、猛暑で非常事態 史上最高40度か
【ロンドン時事】英国に熱波が到来し、週明けに一部地域で観測史上最高の40度に達するかもしれないと予測されている。 気象庁は15日、「非常事態」に相当する最高レベルの「異常高温警報」を初めて発令。暑さで交通網が混乱したり、学校が休校になったり、市民生活に影響が出そうだ。 気象庁は18、19の両日について、ロンドンを含むイングランド中南部で「命が危険にさらされる暑さ」になるとして最高度の警戒を求めた。5割の確率で、異例の40度まで気温が上がる可能性があると警告した。過去最高は2019年に中部ケンブリッジで38.7度が記録されている。政府は16日、緊急治安特別閣議を開き、対応を協議した。
2022年07月13日07時
干上がる湖、対応策に賛否 オーストリア・ハンガリー国境
【イルミッツ(オーストリア)AFP時事】オーストリアとハンガリーの国境にまたがる世界遺産ノイジードル湖で、水位の低下が顕著になっている。このままでは完全に干上がってしまうと住民の危機感は強いが、対応策には賛否がある。
ノイジードル湖は1860年代にも1度、完全に干上がったが、数年を経て雨水で水位は自然に回復した。しかし、次も同じように戻るかは分からない。
オーストリアの地元州議は「湖も周辺地域も干上がらせる選択肢はない」と宣言。北方を流れるドナウ川から水を引き込む運河建設を計画する。
ハンガリー側でも同様の動きがあり、地元当局によると、政府はオルバン首相に近いとされる富豪所有の企業に運河工事を任せる構えだ。湖一帯を複合リゾート地に変える巨大な開発計画と一体だが、着工はまだだ。
反対派は、環境面と汚職の疑いの両方から批判し、環境保護団体グリーンピース・ハンガリーは「生態系全体を破壊する運河計画には絶対反対だ」と抗議する。世界自然保護基金(WWF)オーストリア支部も、塩湖のノイジードル湖にドナウ川の淡水が流入すれば塩分が薄まると指摘。塩湖が持つ「自然のサイクル」を止めてしまうと警告した。
1860年代に干上がった様子は歴史書が伝えており、塩を含んだほこりが風に舞い、住民の目は真っ赤になった。畑に塩が積もって作物は枯れ、魚も死んだ。住民は「飢え死にすると嘆き悲しんだ」と記されている。
水位回復の頼みの綱は雨だ。しかし、湖一帯の雨の季節は夏で、雨が降っても水分蒸発が速い。加えて気候変動の結果、気温は上昇し、熱波襲来も増えている。