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山陽新聞
【独自】腕切断の技能実習生、倉敷の会社と和解 岡山地裁
外国人技能実習生として岡山県倉敷市の鋳物製造会社で作業中、右腕をベルトコンベヤーに巻き込まれて切断したのは、従業員が通訳なしで作業の説明を行うなど指導監督が不十分だったためとして、ベトナム国籍の男性(28)=関東在住=が、会社に総額約8960万円の損害賠償を求めた訴訟は、岡山地裁で和解が成立したことが15日、分かった。
男性の代理人によると、会社が解決金を支払うかどうかなど和解内容は明らかにしていない。会社は「コメントを差し控える」とした。和解は1日付。
訴状などによると、男性は2019年12月、従業員の指示でコンベヤーのベルトとローラーの間に落ちた砂をかき出す作業中、腕ごと巻き込まれた。日本語で意思疎通が難しい男性に対し、従業員は通訳を付けずに作業内容を伝えていたといい「注意点や危険性の説明が不十分で、安全配慮義務違反に当たる」と主張していた。
男性は事故後、家族が住む関東地方に移住。取材に「片腕を失って満足に仕事ができなくなった。日本は安全な国と聞いていたのに悲しい」と話した。