当然の維新完敗です。
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3/28(月) 10:30毎日新聞
「天から地に落ちた」維新完敗、大阪府外の壁厚く 兵庫・西宮市長選
兵庫県西宮市長選で落選し、支援者らに頭を下げる増山誠氏=同市で2022年3月27日午後8時半、大西達也撮影
27日投開票の兵庫県西宮市長選で、日本維新の会は公認候補で新人の元県議、増山誠氏(43)が敗れ、大阪府外で初の公認首長誕生はならなかった。昨秋の衆院選の余勢を駆って、大阪に近い阪神地域の首長選で弾みを付けるシナリオを描いていただけに、今夏の参院選や来春の統一地方選に向け、地方組織の立て直しを迫られそうだ。
「私の力不足。もう一歩深く相手の地盤にまで浸透しきれなかった」。増山氏は27日夜、事務所で報道陣を前に敗戦の弁を述べた。
維新は衆院選で県内の小選挙区に擁立した9人が比例復活も含めて全員当選。今回は、選挙活動の中心となった県内の所属国会・地方議員に加え、大阪から国会議員、府議、大阪市議ら10人超を動員し、組織戦を展開した。松井一郎代表(大阪市長)や吉村洋文副代表(大阪府知事)も現地入りし、てこ入れした。
しかし、増山氏の得票は4万9158票で、8万8572票を獲得した現職の石井登志郎氏(50)に倍近い大差を付けられた。陣営の選対本部長を務め、西宮市を含む衆院兵庫7区を地盤とする維新の三木圭恵衆院議員は「一人一人の期待を支持につなげるどぶ板選挙をできる組織が候補者にも私にもなかった」と総括した。この日は市議補選(改選数2)も投開票され、候補者6人のうち維新2人はともに落選した。
維新は27日に大阪市内で開いた党大会で、参院選で改選6議席を倍増させ、統一選では全国の地方議員を現在の約400人から約600人に増やすことを目標とする活動方針を決定した。府外伸長の足がかりと位置付けてきた阪神地域での完敗に、別の維新議員は「天から地に落ちた。これから立て直しだ」と落胆した。さらに、松井氏が主張する非核三原則の見直し論議が有権者に敬遠されたとの見方を示し、「最近の維新が発信したメッセージが受け入れてもらえなかった」と不満をにじませた。
◇「党勢拡大、持ち出すのが間違い」
再選を決めた現職の石井氏は「市民派」を前面に出し、政党推薦を求めなかったが、維新を警戒する自民や立憲民主などから幅広く支援を受けた。27日夜、事務所で記者団に「維新に期待している人も、『維新に絶対負けたら駄目だ』という人もいて、正直ムーブメントを感じた」と振り返った。その上で、「一市長選に党勢拡大を持ち出すのが大間違い。大阪でうまくいったことは結構だが、そのまま西宮に持ってくることは国政政党として大変乱暴だ」と批判した。【稲田佳代、土居和弘、亀田早苗】
◇潜在的支持層取り込めず
有権者の投票行動に詳しい品田裕・神戸大教授(政治過程論)の話 現職が過半数の票を得ており、維新は2021年の知事選、衆院選の勢いを維持できなかった。三つの原因が考えられる。まず、西宮市の維新支持者は市政より国政に興味を持つ層が相対的に多く、市長選で潜在的支持層を取り込みきれなかったのではないか。実際、投票率は衆院選に及んでいない。また、維新は「旧体制とたたかう保守改革派」という構図に持ち込めなかった。実績を主張し、大きな失点も見当たらない現職を旧体制として批判しても、支持が広がらなかった可能性がある。一方、維新に負けたくない各党はきっちり票を固めた。現職は市政に関心を持つ層から評価を得るとともに、各党の支持をまとめることができた。
兵庫県西宮市長選で落選し、支援者らに頭を下げる増山誠氏=同市で2022年3月27日午後8時半、大西達也撮影
27日投開票の兵庫県西宮市長選で、日本維新の会は公認候補で新人の元県議、増山誠氏(43)が敗れ、大阪府外で初の公認首長誕生はならなかった。昨秋の衆院選の余勢を駆って、大阪に近い阪神地域の首長選で弾みを付けるシナリオを描いていただけに、今夏の参院選や来春の統一地方選に向け、地方組織の立て直しを迫られそうだ。
「私の力不足。もう一歩深く相手の地盤にまで浸透しきれなかった」。増山氏は27日夜、事務所で報道陣を前に敗戦の弁を述べた。
維新は衆院選で県内の小選挙区に擁立した9人が比例復活も含めて全員当選。今回は、選挙活動の中心となった県内の所属国会・地方議員に加え、大阪から国会議員、府議、大阪市議ら10人超を動員し、組織戦を展開した。松井一郎代表(大阪市長)や吉村洋文副代表(大阪府知事)も現地入りし、てこ入れした。
しかし、増山氏の得票は4万9158票で、8万8572票を獲得した現職の石井登志郎氏(50)に倍近い大差を付けられた。陣営の選対本部長を務め、西宮市を含む衆院兵庫7区を地盤とする維新の三木圭恵衆院議員は「一人一人の期待を支持につなげるどぶ板選挙をできる組織が候補者にも私にもなかった」と総括した。この日は市議補選(改選数2)も投開票され、候補者6人のうち維新2人はともに落選した。
維新は27日に大阪市内で開いた党大会で、参院選で改選6議席を倍増させ、統一選では全国の地方議員を現在の約400人から約600人に増やすことを目標とする活動方針を決定した。府外伸長の足がかりと位置付けてきた阪神地域での完敗に、別の維新議員は「天から地に落ちた。これから立て直しだ」と落胆した。さらに、松井氏が主張する非核三原則の見直し論議が有権者に敬遠されたとの見方を示し、「最近の維新が発信したメッセージが受け入れてもらえなかった」と不満をにじませた。
◇「党勢拡大、持ち出すのが間違い」
再選を決めた現職の石井氏は「市民派」を前面に出し、政党推薦を求めなかったが、維新を警戒する自民や立憲民主などから幅広く支援を受けた。27日夜、事務所で記者団に「維新に期待している人も、『維新に絶対負けたら駄目だ』という人もいて、正直ムーブメントを感じた」と振り返った。その上で、「一市長選に党勢拡大を持ち出すのが大間違い。大阪でうまくいったことは結構だが、そのまま西宮に持ってくることは国政政党として大変乱暴だ」と批判した。【稲田佳代、土居和弘、亀田早苗】
◇潜在的支持層取り込めず
有権者の投票行動に詳しい品田裕・神戸大教授(政治過程論)の話 現職が過半数の票を得ており、維新は2021年の知事選、衆院選の勢いを維持できなかった。三つの原因が考えられる。まず、西宮市の維新支持者は市政より国政に興味を持つ層が相対的に多く、市長選で潜在的支持層を取り込みきれなかったのではないか。実際、投票率は衆院選に及んでいない。また、維新は「旧体制とたたかう保守改革派」という構図に持ち込めなかった。実績を主張し、大きな失点も見当たらない現職を旧体制として批判しても、支持が広がらなかった可能性がある。一方、維新に負けたくない各党はきっちり票を固めた。現職は市政に関心を持つ層から評価を得るとともに、各党の支持をまとめることができた。