◆ 2022年度 防衛予算を斬る! 1.15分析会 (立川テント村通信)

 歯止めのない大軍拡が続いている。1月15日、文京シビックセンターにて大軍拡と基地強化にNO!アクション2021の主催で表題の集会が行われた。毎年この時期に行われている集会で、約30名が参加した。
 集会では、○思いやり予算と宇宙サイバー電磁波関連を練馬の池田さん、○予算の全体像と陸自関連を習志野の吉沢さん、○海自関連を神奈川の木元さん、○空自関連を立川の大西、○研究開発費と武器輸出関連をNAJAT(武器取引反対ネットワーク)の杉原さんが報告した。

 ◆ 1時間で500万円

 まず、池田さんの報告。米軍への思いやり予算の名称が「同盟強靭化予算」に変更された。光熱水道費が減額される一方、「訓練資機材調達費」が新規の項目として追加された。


 中国の中距離弾道ミサイル攻撃から逃れるため駐留兵士は減少するが、共同訓練は増加すると指摘した。
 目玉である宇宙・サイバー・電磁波予算はほとんど概算要求通りに予算化されたと報告した。

 つぎに吉沢さん。今回から予算の枠組みが変わり「防衛力強化加速パッケージ」と名づけ前年度の補正予算と次年度の当初予算を合わせた予算という考え方に変った。米軍再編予算を含めると6兆1744億円でGDP比1・09%にもなる
 金が湯水のように使われている例として、F35のステルス塗料は飛行のたびに剥がれ落ちるので飛行1時間当たり500万円もの費用が掛かっていると紹介した。


 ◆ イージス護衛艦は無理

 続いて木元さん。海自は海兵隊の遠征前方基地作戦(EABO)と連携して南西諸島で中国艦船を排除する。今予算では4900トンもの大型油槽船が2隻も建造される。これまでの油槽船は50トン程度でこんな巨大なものは初めてだ。もがみ型(FFM)の9、10番艦が建造されるが、戦闘力は高くない。
 また、1発4億円、射程340㎞のSM-6ミサイル202億円も計上された。
 イージス・アショア搭載艦については今回レーダーの仕様変更に58億円がついたが、2隻の総額で9000億円かかると言われている。こんな高額な護衛艦はこれまでになく、いつか見直しを迫られるはずだと指摘。

 大西は、空自の予算は14・1%、1835億円増で、今回は空自の年と紹介。目玉は次期戦闘機F13の開発費で1001億円。今後総額で1兆円になるともいわれていると報告した。

 最後に杉原さん研究開発費は、過去最大で796億円増の2911億円だと指摘。敵基地攻撃兵器となる新12式地対艦誘導弾の開発に393億円もつぎ込む。3月にはノルウェー製のJSM(射程500㎞)が納入される。
 防衛装備庁に「防衛産業政策室」が新設され、武器輸出も活発化される。企業は「死の商人」と非難されることを恐れているという。もっと声を上げようと訴えた。

『立川テント村通信』(2022年2月)

 

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