「人間の安全保障」テーマの国連報告書の“尊厳配慮モデル”を

 

人間一人一人に目を向けて命や生活を守る考え方「人間の安全保障」をテーマにした国連の報告書が公表され「世界の7人に6人以上が不安を感じながら生活している」と指摘し、人間の尊厳に配慮した新たな開発モデルが必要だと呼びかけています。

「人間の安全保障」は、国家を中心とした従来の安全保障ではなく、人間一人一人に目を向けて命や生活を守るという考え方で、日本政府も外交の重要課題として積極的に取り組んでいます。

UNDP=国連開発計画は、この「人間の安全保障」をテーマにした新たな報告書をまとめ、日本時間の8日夜、オンラインで開かれた発表会には林外務大臣らがメッセージを寄せました。

今回の報告書では、世界各国のさまざまなデータを分析した結果として「世界の7人に6人以上が不安を感じながら生活している」と指摘し、従来行われてきた経済開発が人々の安心感にはつながっていないとしています。

また、具体的な安全保障上の脅威として、感染症や格差の拡大などを挙げ、特に気候変動については、気温の上昇が原因で今世紀末までに世界でおよそ4000万人が死亡するおそれがあるなどと危機感を示しています。

そして報告書は、国境を越えた連帯を強化し、人間の尊厳に配慮した新たな開発モデルが必要だと呼びかけています。

 

 

 

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人間の安全保障特別報告書2022 グローバル発表会

2022年2月8日22時00分に(日本時間)オンラインで開催(英語)

 

この度、国連開発計画(UNDP)は、「人間の安全保障」に関する特別報告書「人間の安全保障に関する特別報告書〜人新世の時代における人間の安全保障への新たな脅威〜」グローバル発表会(英語)を2月8日22時00分 (日本時間)にオンラインで開催予定です。当報告書では、新時代の地球規模課題を考慮した新たな「人間の安全保障」のあり方を提案します。

 

世界中で開発が進み、教育・健康・生活水準が向上する一方で、世界の多くの人々が、不安またはある程度の不安を感じながら暮らしています。これは開発途上国において当てはまり、さらにコロナ禍以前の時点においても、不安に対する認識が最も強くなっていたのは高所得国の数カ国でした。

 

本報告書は、人類が経済成長ばかりを重視し、地球に圧力をかけ続けつつ開発を進めた結果、人々と地球の関係性が失われ新世代型の脅威が生まれたと論じ、今後は人類と地球の関係性に目を向け、人類同士、また人類と地球がより「連帯」していくことが求められていると強調しています。

 

このような背景のもと、本報告書のグローバル発表会では報告書の概要をご紹介するとともに、多様な視点から人間の安全保障に関するグローバルな対話を行う予定です。

 

当イベントには、アヒム・シュタイナーUNDP総裁、林芳正外務大臣、元コスタリカ大統領ラウラ・チンチージャ氏、武見敬三参議院議員をはじめ、世界各国のトップレベルの意思決定者および開発の専門家が集います。

 

イベントのプログラムや登壇者の情報はUNDP駐日代表事務所のウェブサイトにて順次公開します。イベントは英語・フランス語・スペイン語の同時通訳がつきますが、日本語通訳はございませんのでご注意ください。

 

なお、録画版を後日公開予定です。


日時:2022年2月8日 22:00 -(日本時間)  

会場:オンライン形式(Zoom Webinar)

使用言語:英語(スペイン語・フランス語の同時通訳あり)※日本語通訳なし

参加費:無料

イベントは事前登録が必要です。こちらのリンクよりご登録お願い致します。
※お名前はアルファベットにてご記入願います。


プログラム

22:00 (日本時間) | High-level launch
Introduction
Promotional explainer video

Opening remarks


Mr. Achim Steiner, Administrator UNDP
H.E. Yoshimasa Hayashi, Minister for Foreign Affairs, Japan
H.E Naledi Pandor, Minister of International Relations and Cooperation, South Africa - TBC

 

Opening conversation


Mr Achim Steiner, Administrator UNDP
HLAP co-chair Senator Keizo Takemi
HLAP co-chair President Laura Chinchilla

 

Presentation of the report


Mr. Pedro Conceição, Director Human Development Report Office, UNDP

 

Statements
Amartya Sen (TBC)
Nadine Khaouli - Youth Development Delegate at UNDP

 

22:40 (日本時間) | Deep-dive dialogue

 

Panel discussion


Mary Kaldor, Director of the Conflict and Civil Society Research Unit, Department of International Development, London School of Economics and Political Science
Anne-Marie Slaughter, CEO New America, Professor Emerita Politics and International Affairs Princeton University


Anne Marie Goetz, Clinical Professor New York University School of Professional Studies Center for Global Affairs


Abdoulaye Mar Dieye, United Nations Secretary General’s Special Coordinator for development in the Sahel

 


なお、本イベントとは別に、2月後半から3月初旬にかけて、日本国内の方々を対象とした日本語による報告書の発表会の開催も予定しております。UNDP駐日代表事務所のウェブサイトにて随時情報を更新しますので、ご確認ください。