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1/25(火) 10:03西日本新聞

「もう勘弁して」「国は方針を明確に」時短要請、飲食店から悲痛な声

人通りがまばらな北九州の繁華街=24日

 

 新型コロナウイルスの感染急拡大で、福岡県では24日、独自のコロナ警報に伴う飲食店への「時短営業」要請が始まり、多くの店が閉店時間を早めた。前回の要請解除からわずか3カ月。飲食店からは「もう勘弁して」と悲痛な声が上がった。政府にまん延防止等重点措置の適用を要請した佐賀、大分、鹿児島3県でも近く時短要請が始まり、九州全県に広がる。新たな変異株への対応に混乱が見られる政府への注文も聞かれた。

 

  【グラフ】福岡の感染者数の推移 

 

 「もう何回目の時短要請か。うんざりです」。北九州市小倉北区で和食料理店「黒田節」を経営する樋上誠治さん(49)は、ため息をつく。感染防止対策の認証を得ており、お酒を提供して午後9時まで営業する。  前回の時短要請解除以降、客足は戻りつつあった。店の予約表は年末年始は埋まっていたが、24日を境に空欄が目立つ。「料理を大皿ではなく、小分けにして出すなど工夫してきたのに」  政府内では会食などの人数制限と人流抑制を巡り混乱が生じている。「どちらを重視するかで今後求められる対応も変わるはず。国は方針を明確にしてほしい」と注文を付けた。

 

  福岡市中央区の「串カツあらた博多天神店」では午後6時を過ぎても閑古鳥が鳴いていた。店長の切通雄太さん(29)は「年末年始は予約で満席だったのに。またかという思いが強い」と肩を落とす。  時短要請期間は2月20日までだが「また延長されないか」と不安だ。割引企画で集客を図るという。  昨年2度にわたって独自の時短要請を行い、今回が初の重点措置となる大分県は25日に時短要請の詳細を発表する予定だ。 

 

 大分市中央町のバーでは今年に入って客が激減し、平日は売り上げがゼロの日もある。店主の60代男性は「経営が成り立たなくなっており、協力金は助かる」と漏らす。重点措置の期間中は店を閉める。同市都町で鶏料理店を家族で経営する40代女性は「とうとう来たという感じ。要請に従って営業は続ける。頑張って乗り越えたい」と話した。

 

  24日夕、福岡市・天神では仕事を終えて家路を急ぐ人の姿が目立った。路線バスを待っていた男性会社員(49)は「息子が大学受験を控えており、感染予防に徹したい」と語った。  (上田泰成、小林稔子、井中恵仁)