1.「認諾」決定の妥当性を説明し、賠償金支払いにつき国会での承認を得ること!
2. 支払った賠償金を佐川宣寿元理財局長に求償すること!
内閣総理大臣 岸田文雄様: 赤木雅子さんへの賠償金は佐川宣寿元理財局長に求償してください!
森友学園問題に関する「公文書の改ざん」という不正行為の強要に抵抗し自死に追い込まれた近畿財務局の元職員・赤木俊夫さんの妻・赤木雅子さんが提起した国家賠償請求訴訟で被告である国側は賠償請求を全面的に認める「認諾」の手続きをとり、強引に裁判を終結させました。
(写真)週刊金曜日1359号(12/24・1/7合併号)
「言い値でカネを払うから、もうこれ以上ごちゃごちゃ言うな」という居直りである「認諾」で「隠し続けてきた政権ぐるみの悪事」がバレるのを封じ込め税金濫用の賠償金を支払うことで裁判を打ち切るのは原告・赤木雅子さんのみならず、納税者たる私たちを愚弄する許しがたい暴挙です。
この決定をした最終責任者は岸田文雄総理大臣です。
先の臨時国会閉会後の記者会見では、遺族が求めている真相解明についての質疑に「私自身、真摯に向き合い説明責任を果たす努力をしなければならない」と答えています。ならば、その責任を果たすよう主権者であり納税者である私たちは岸田総理大臣に対して次の2つを強く要請します:
1.「認諾」決定の妥当性を説明し、賠償金支払いにつき国会での承認を得ること。
― 日本国憲法第83条「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない」に従って、当初予算に個別具体的に計上されていなかった約1億1000万円の賠償金支払いにつき国会の議決が必要なはずです。
2. 支払った賠償金を佐川宣寿元理財局長に求償すること。
―「すべて佐川理財局長の指示により行われた」という赤木俊夫さんの記述通り、「自己保身、立身出世」のために「公文書改ざん」という違法行為を部下に強要し、その責任を逃れるため国会では虚偽答弁を繰り返しながら結果として佐川宣寿氏は理財局長からその後「国税庁長官」に栄転しました。この悪質な利己目的行為の犠牲となった赤木俊夫さんへの損害を償うため、国は国家賠償法1条の規定により賠償金を支払います。しかし同法1条2項には「公務員に重大な過失があったときは、(中略)その公務員に対して求償権を有する」の規定があるため、税金で支払われた賠償金を公務員個人に弁償させることができます。
ただ、いわゆる「重過失」を安易に認定すると公務員が責任負担を恐れて過度に委縮し、業務遂行に支障をきたすことになりかねないとの配慮から従来は重過失による個人への求償をあまり認めてきませんでした。そのような過去の判例を盾にとって佐川元理財局長は個人としての賠償責任を否定していますが、大いなる勘違いであり判例には「悪徳公務員」を
かばう趣旨などありません。なぜなら、過剰な保護が裏目となり公務員個人に「最後は国が守ってくれる」という甘えやおごりをもたらして「どんなに悪事を働いても個人的責任は負わなくて済む」という倫理の崩壊が起こりうるからです。
そうなれば未来永劫公務員の背信行為が横行し、一方で赤木俊夫さんのように実直で弱い立場の職員が犠牲になる悲劇が再発してしまいます。それが赤木雅子さんの悩み、苦しみなのです。
今こそ「正直者が馬鹿を見る」の悪しき習慣を断つ時です。
これまでに「表に出されている」情報では、「佐川元理財局長がすべてを仕切った悪質な行為により発生した」とされており、彼がその賠償責任を負うのは当然です。
岸田総理大臣は賠償金支払いの承認を得る条件として佐川元理財局長に求償することを言明してください。
*このキャンペーンを支援してくださる皆さまへ
国側の求償権行使という措置を佐川氏は全面的に受け入れるでしょうか・・・
「国の言い分は事実と違う、自分ばかり責任を負うのは理不尽だ」との異議があるなら、佐川氏本人が事実をありのままに告白、証言すればよいのです。それによりさらに上位の権力者の罪状を暴いて自らの責任負担を軽減し、関与した権力者たちに応分の責任負担をさせることで、この損害の実態すべてが明らかにできるはずです。
これこそが赤木雅子さんの求めている訴訟の目的:「なぜ亡俊夫が本件自殺に追い込まれなければならなかったのか、その原因と経緯を明らかにする点にある」を果たすことであり、長く続いた彼女の労苦が報われるとともに、何ら問われるべき責任のない私たち納税者が
「認諾による賠償金」の不当な負担を免れることができるのです。
最後に追加のお願いですー「賠償金を税金で払うな」という声を賠償金を受ける赤木雅子さんへの批判に結びつけないでください。赤木さんの訴えは訴訟目的の記述で明らかなようにあくまで真相の究明が主であり賠償金自体が目当てではないので、正当な賠償はためらわず受け取っていただきたい。
そのうえで、悪質な不法行為に罪悪感のかけらもなく、ひたすら「自己の利益」を追い求めてきた「巨悪」に必罰をもって臨むことが私たち主権者であり納税者の正義です。
これを果たすことで、尊い命を犠牲にしてまでも
「私の雇い主は国民です」の信条に徹した赤木俊夫さんに私たち国民からの感謝を表し、恩返しすることができるものと信じています。
この訴えに多くの皆さんから署名協力を得て、岸田文雄総理大臣に届けます。
熱いご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
2022年1月4日
週刊金曜日読者会・埼玉加須(かぞ)の会
仲村正昭
石垣敏夫
秋山信孝