《大阪ネットニュースから》
 ◆ 大阪市を逃がさない!論点がはっきりしてきた!

元大阪市立中学校教員グループZAZA 松田幹雄


 ◆  自由権規約・子どもの権利条約…被告(大阪市)が応答せざるをえなくなりました

 11月29日、第5回口頭弁論がありました。
 私たち(原告と代理人)は、原告(松田)第4準備書面で、被告(大阪市)の姿勢を次のように批判しました。

『被告は、前回期日で、原告の自由権規約・子どもの権利条約にかかる主張に対する応答をするよう裁判所から釈明を受けていた。しかし、今回被告から出された準備書面(3)は、その釈明に誠実に対応するものではなく、あまつさえ、原告が「徒に争点を拡大」しているかのような主張を行っている。しかし、被告のこのような主張は、訴訟に対する誠実な対応とは到底言えず、被告には猛省を促したい。』




 そして、改めて、被告に対して原告の自由権規約・子どもの権利条約にかかる主張に対する応答をするよう求めました。
 裁判長が、被告(大阪市)に、原告の求釈明に答えるよう求めたため、被告(大阪市)は求釈明に答えざるを得なくなりました。

 昨年12月提訴時の訴状で、現在の大阪市の卒業式のあり方と不起立者への懲戒処分が子どもの権利条約(12条・13条.14条・28条・29条)違反であり、教員の地位勧告違反だと訴えました。
 また、今年4月提出の第1準備書面では、国連の自由権規約委員会の審議状況も紹介して、自由権規約違反であることを指摘しましたが、被告(大阪市)は、一貫して、その主張に応答せず、はぐらかし、逃げ回っていました。
 やっと捕まえたという感じです。その論点で主張を深め、裁判所に判断を迫っていきたいと思っています。


 ◆ 被告(大阪市)が「生徒が不起立を見ること」が混乱であり、処分の理由となると主張

 被告(大阪市)第3準備書面で以下のように述べました。

『原告は、6において、原告の「君が代」不起立により行事進行の混乱は生じていない旨主張する。しかしながら、卒業式という公式の行事において、教師という立場にある原告がルールに従わない姿を見ることで保護者、来賓、生徒に影響が生じており、その場がざわつかなくとも混乱が生じていたことは明らかである(乙21・33~34頁)。なお、仮に目立った混乱が生じなかったとしても、それは原告が卒業式当日に起立斉唱しないことを卒業式に先立って明言していたため、卒業式においてできるだけ混乱が生じないようにするため原告の座席位置を変更する等被告が工夫した(答弁書8頁)ことによるのであるから、原告の責任を免れる理由とはならない。』

被告(大阪市)は生徒が不起立を見ることが混乱であり、処分の理由になると言ったのですが、こちらからすると願ってもないことです。これこそが、「調教」の証拠であり、市教委は、生徒が現実(「君が代」に対して起立・斉唱しない、できない人がいるという現実)を知る権利を認めないのか、と迫ることができるからです。
 本質的論点が浮かび上がってきました。

 「君が代」調教NO!松田さん処分取消裁判の次回第6回期日は、来年2月14日(月)10時半~大阪地裁808号法廷です。

『大阪ネットニュース 24号』(2021年12月19日発行)

 

https://wind.ap.teacup.com/people/16574.html