◆ 「民訴法違反裁判官」裁判、第1回報告

皆さま
 増田です。これは「都教委等を訴える会」事務局としてBCCでお知らせします。重複・長文、ご容赦を!

 本日、件名裁判…裁判官交代があったのに民訴法で義務付けられている「弁論更新手続き」をせず、知らんふりして結審してしまった裁判官ら(国)の違法を問うもの…がありました。
 今まで私は数えきれないほど(笑)裁判をしてきましたが、3人の裁判官の内、二人が女性という法廷は初めてです…裁判長は男性。

 国(法務大臣)側の答弁書は中身のないもので、ただ単に「棄却してほしい」「訴訟費用は原告持ちに」だけで、次回2月21日(月)午前10時からの721号法廷において、準備書面を出す、ということです。

 ご関心のある方には、添付、私の原告陳述書をお読みいただければ嬉しいです。


*******************************
 

◎ 意見陳述書

2021年12月16日
原告:増田都子


 私は都内公立中学校の教員として33年間、社会科を教えてきました。生徒たちには「常に『人間として正しいかどうか』を判断の基準にして、ウソを吐かないこと、事実を事実として直視すること、卑怯なことをしないで正々堂々と生きること」を教えてきたつもりですし、自分も実践してきたつもりです。

 もちろん、私的な生活・プライベートな生活では『ウソも方便』も使っています。
 私の父が92歳で胃がんと診断されても、私は父に「『少し胃が荒れているから、胃薬、飲んで』って、お医者さんに言われたよ」とウソを吐きました。こういうプライベートな生活でのウソは、家族以外には何の影響も与えませんから許容範囲です。
 でも、公的なことでのウソは人間として恥ずかしいことで、社会に悪影響を与えますから、健全な社会なら許されないことです。

 さて、東京都教育委員会(都教委)は「オリンピック・パラリンピック教育」と称して、都民の税金を初年度で1億何千万円使い、毎年、約3千万円を使って『読本』を作成し、「これを使って週1時間、授業しろ」と先生たちに強制しながら「オリンピック・パラリンピックの開会式では、国旗・国歌を使う」という記載を何度要求しても訂正せず、生徒に教え込もうとしてきました。

 五輪憲章では独立国家が参加単位ではなく、国・地域単位の参加なのですから、旗も歌も「選手団の旗・歌」の位置づけであり、こんな明らかなウソを「教科書」…正式には副読本ですが、検定済「教科書」は無いので事実上の教科書…に書き込むのは、オリンピック・パラリンピックの政治利用で、これを利用して生徒たちに国家主義を植え込もうという悪しき意図があるのだと私は考えます。

 都教委に、何度、直接申し入れても都教委は絶対に訂正しませんので、こういう仲間たちと共に司法の場での判断を仰ごうと裁判を提起しました。私はその事務局を担っています。

 その裁判の控訴審で、本件裁判を提起せざるを得なくなった、民事訴訟法違反裁判官に出くわしました。
 2019年9月25日の第1回法廷で、私は「あらっ、女性裁判官がいる!」と印象に残りました。女性裁判官は、まだまだ少ないのですから…

 そして、第2回目の12月11日の法廷で裁判官席に座っているのは男性ばかりでした。「あら、女性裁判官がいなくなった。男性裁判官と交代したんだ」と思いました。9月25日の法廷が男性裁判官ばかりだったら、交代には気がつかないままだったと思います。
 ところが、白石哲裁判長ら3人の裁判官は「弁論更新手続」をしないまま、結審を申し渡して、さっと、扉の奥に消えてしまいました。
 あっけにとられました。そこで、第1回口頭弁論調書を取り寄せてみると第2回の時と同じ男性裁判官名ばかりになっていました。

 さらに、裁判所に「2019年9月25日の開廷表」を開示請求したところ、やはり、9月25日の法廷に一人「加本牧子」という名前の女性裁判官の名前がありました。やはり裁判官の交代があったのだと確信しましたし、口頭弁論調書がなぜ事実と異なるのか理解できませんでした。

 そのため、代理人弁護士の先生は先ず、白石哲裁判長宛にお手紙を書かれ「裁判官交代手続きをしないまま結審したのはおかしいから、もう一度、口頭弁論を開いてください」紳士的な申し入れをしました。

 白石哲裁判長には無視されました。そこで、やむを得ず、裁判官忌避をしましたが、その忌避裁判担当の裁判官たちは、いったい何を「精査」されたのか、何の根拠も示さないまま「裁判官交代は無かった」と断定しました。

 私たちは何も裁判官相手に裁判…実際は形式的に国(法務大臣)を被告とするわけですが…しようなんて考えていたわけではありません。弘法大師だってミスをするのですから、裁判官にだってミスはあるでしょう。ミスを認めて、弁論を再開さえしてくれていたら、何も、こんな裁判など起こさずに済んだのです。

 そんなにミスを認めることが、裁判官という職業の方たちには嫌なことなのですか?
 「最初から男性裁判官だけだった」とウソを吐いて、「これで終わり」と嬉しいですか?
 白石哲裁判長は平穏無事に定年退官され、今は立川簡易裁判所の判事でいらっしゃるようですが、法律違反をして平気、初めから男性裁判官だけだったことにしてしまえばいいんだ…こんな方に人を裁く資格があるでしょうか?

 彼は判決に「お前たちは男性裁判官を女性裁判官と『誤解』したのだ」とまで書いているのです。
 「第1回目も男性裁判官だけだった」というのはウソです。
 私たちは男性を女性などと『誤解』はしていません。
 民事訴訟法違反をした自分のミスを糊塗することは、人間として非常に恥ずかしいことではないでしょうか?

 私は公民の授業で「市民の権利侵害を救済してくれるのが裁判所です。裁判官は第三者として公正に争いごとを裁くのが仕事です」と教えてきたのですが、白石哲判事などを見ると、私は、生徒たちにウソを教えてきたのだろうか、と今、心が痛んでなりません。

 これは裁判官全体の問題になります。本件裁判官の方たちには、どうか、仲間としての庇いだてなどしないでいただきたい…事実に基づいて公正に裁判していただき、市民の裁判官への信頼を取り戻せるようにしてほしい、と切に望みます。