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11/6(土) 9:06日刊ゲンダイDIGITAL
維新・馬場幹事長がBSフジ番組で衆院選大阪選挙区の「野合」を認めていた
本当の「野合」は自分たちだった?
衆院選で議席を公示前の11から4倍の41に増やし、公明党を抜いて第3党に浮上した「日本維新の会」。本拠地である大阪では、候補者を擁立した15選挙区で「全勝」。立憲副代表の辻元清美氏(61)が出馬した10区でも、維新新人の池下卓氏(46)が辻元氏を負かして初当選するなど“維新旋風”が吹き荒れた。
落選した石原伸晃氏は政界引退が濃厚…消滅危機「石原派」7人に囁かれる次の“受け入れ先”
維新陣営が選挙期間中、立憲や共産などを批判するのに使った常套句が「野合」だった。10月下旬に自民元副総裁の山崎拓氏(84)が辻元氏の応援演説に立った際も、維新の松井一郎代表(57)は「とにかく野合」と訴え、「まともな政党として、まともな選挙をしていく」と主張していた。
国語辞典によると、「野合」とは「共通するものもないバラバラの集団が、まとまりなく集まる事」。その意味では、複数の政策課題を共有して選挙を戦った「野党共闘」は「野合」でも何でもないのだが、ただでさえ選挙期間が短かった上、昨今の「ワンフレーズ・ポリティクス」の選挙に慣れてしまった有権者には、「野党共闘」の本質が理解されなかったようだ。
だが、野合批判を繰り返していた維新はどうなのかと言えば、さらに酷かった。2日夜のBSフジの番組「プライムニュース」で、維新の馬場伸幸幹事長(56)が「野合」だったことを認めるような発言をしていたからだ。
番組では、男性キャスターが馬場幹事長に向かって、「馬場さん、大阪の全19選挙区のうち維新が立ったのは15で、残り4選挙区は公明が全勝。これは握ってるんでしょう?」と質問。「握っている」とは、候補擁立をめぐり、ライバル党と水面下で「ここはうちが候補者を出すから、そちらは出さないで。その代わり、あちらはどうぞ」のように調整するという意味の隠語だ。つまり、やんわりと「維新と公明も野合だったんでしょ」と水を向けたわけだが、この問いに対して馬場幹事長は当初は、モゴモゴとはぐらかしていたのだが、苦笑いしながらこう口を滑らせたのだ。
「いや、まあ、あの、そういうことなんですけれど」
馬場幹事長は「党としての次の課題」などとよく分からない発言もしていたが、ネット上では番組を見ていた視聴者などから、<あっさり野合を認めたぞ><政策合意も大義もない。これぞ、野合そのものwww>との声が続出。これでよくもまあ、他党について「野合」などと批判できたものだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1362031cfe7e5886ff31d51733877e4ca261f916
公開日:2021/11/03 06:00 更新日:2021/11/04 14:24日刊ゲンダイ
維新「第3党」躍進のお寒い実情…次点にもなれず比例復活の“ゾンビ議員”がウヨウヨ
第3党に躍り出て、比例制度サマサマ(会見を行う「日本維新の会」の松井一郎代表)
今回の衆院選で驚いたのは日本維新の会の躍進だ。新型コロナウイルス対策で名を広めた大阪府知事の吉村副代表を「選挙の顔」に据え、候補を立てた府内15選挙区は全勝。
公示前11議席から4倍近い41議席まで増やし、第3党に躍り出たが、その実情は選挙制度の“欠陥”に救われたようなものだ。
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イケイケムードとは裏腹に、大阪以外の小選挙区を制したのは1つだけ。
それも大阪のベッドタウン、宝塚市や伊丹市を含む兵庫6区である。
自民を上回るトップの10議席を獲得した比例近畿ブロックの約318万票の内訳も、得票率42.5%と他党を圧倒した大阪の171万5862票が半数以上を占める。
維新旋風は、なにわのパワー全開があればこそ。その支えによって京都1区、兵庫1区、奈良1区で次点にもなれず、3位に甘んじた小選挙区候補3人が比例復活。さらに「惜敗率」50%台で2人が当選した。全国を見渡せば、そんな“ゾンビ議員”がウヨウヨいる。
近畿ブロック以外で比例復活した維新候補は15人。うち13人が惜敗率7割未満で、選挙区で次点になれなかった候補は9人に上る。
中でも四国ブロックで当選した吉田知代(徳島1区)の惜敗率20.1%は歴史に残る“珍記録”。
歴代でも3番目に低い惜敗率での当選者となった。
立憲には惜敗率91.8%でも復活できなかった候補が
選挙区で次点にもなれなかった候補が続々の復活(C)日刊ゲンダイ
立憲の「顔」がイマイチで反自民の受け皿になれず、比例票が維新に流れたせいで、選挙区で有権者に否定されたゾンビ議員が大量発生とはやりきれない。
例えば沖縄3区で自民の島尻安伊子・元沖縄北方相と激戦を演じた立憲の屋良朝博の惜敗率は91.8%。それでも比例復活は果たせなかった。それが重複立候補制度の定めとはいえ、「民意を反映しているのか」と言いたくもなる。
「維新も大阪の候補は吟味して選んでいるようですが、他のエリアは『出たければどうぞ』のノリとしか思えない。さすがに落選しましたが、今度の選挙でも元秘書への暴行を機に自民を離党した石崎徹氏を新潟1区で公認したように誰でもオッケー。維新議員の不祥事が相次ぐのも、さもありなんです」(政界関係者)
今回当選した41人のうち、また何人かはやらかすのだろうか。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/296904
※惜敗率(せきはいりつ)とは、日本の選挙におけるある候補者の得票数を同一選挙区で最多得票当選者の得票数で割ったもの。
1996年以降の日本の衆議院議員総選挙では小選挙区比例代表並立制で立候補者が「小選挙区選挙」と「比例代表選挙」に重複立候補できる。
比例代表の名簿には政党が複数の重複候補者を同一順位にすることが多いが、その場合は惜敗率が高い候補、つまり当選者により肉薄していた落選者から順に、その回の選挙結果による各政党への比例配分割り当て数、比例復活がされる。