1.海洋放出されようとしている汚染水には、
トリチウム以外の多種多様な放射性物質が含まれています。
http://anti-hibaku.cocolog-nifty.com/blog/2020/05/post-5bacfd.html#3
汚染水を海洋放出するのは東電です。
「事業者(東電)任せにしてはいけない。政府が総力をあげて取り組む」
として、廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議が設定され、
海洋放出方針を決定しています。主管は経産省です。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/hairo_osensui/index.html
2.海洋放出後の放射性物質の挙動について
1)原発事故初期に、トリチウムに限らず膨大な放射能が海に流出し、
海水が汚染されていましたが、
https://radioactivity.nsr.go.jp/ja/contents/4000/3850/24/229_110324.pdf
今は原発近くの海水からはCs137も不検出です。
https://radioactivity.nsr.go.jp/en/contents/16000/15067/24/278_4_20210824.pdf
厳密な比較はできませんが、海底土などの汚染はあまり変わっていないと思います。
2011.6.2 https://radioactivity.nsr.go.jp/ja/contents/5000/4627/24/1307070_0610.pdf
2021.8.24 https://radioactivity.nsr.go.jp/en/contents/16000/15065/24/280_3_20210824.pdf
2)東電はトリチウム濃度1500Bq/L以下に薄めてから沖合1㎞地点で、年間22兆㏃のトリチウムを放出するシミュレーションで、海水のトリチウム濃度が1Bq/L~10Bqの範囲は南北各1.5㎞としています。
https://www.tepco.co.jp/press/release/2021/pdf3/210825j0102.pdf 64頁で
1500Bq/Lを沖合1㎞で放出すると、海岸に着くまでに大幅に薄まるでしょう。
3.いくら薄めても、薄まっても、放射能量は変わりません。
問題は放射能濃度ではなく、総量です。
トリチウム860兆ベクレルはがんで亡くなる人を774人も増やす毒物です。
http://anti-hibaku.cocolog-nifty.com/blog/2020/05/post-5bacfd.html#4
「害など無い」なんて、とんでもない話です。
4.防げる事故を防がずに事故を起こして、自ら生み出した汚染水を海に捨てること自体が問題です。
http://anti-hibaku.cocolog-nifty.com/blog/2020/05/post-5bacfd.html#2
事故を起こしても問題ないことになってしまいます。
5.政府が海洋放出にこだわるのは、もっと膨大なトリチウムを再処理工場で放出するからでしょう。
6.昆布も海水に溶けている窒素(おそらくアンモニウムイオン NH4+)を取り込んで、タンパク質を作っているのでしょう。
水素原子がトリチウム原子に置き換われば、トリチウムタンパク質です。
すなわち有機結合型トリチウムなので、私たちの体内に残りやすくなり、被ばく影響が大きくなります。
https://cnic.jp/files/20140121_Kagaku_201305_Kamisawa.pdf
温品惇一